「(将来)疫病がはやったら、私の姿を描いた絵を人々に見せよ」
これは江戸時代に出現した半人半魚の妖怪「アマビエ」が告げたとされる言葉。新型コロナウイルスが流行する現在、市井ではアマビエに救いを求める声が上がりました。こうした現象は英紙「ガーディアン」など海外メディアでも報じられ、日本の「妖怪文化」を世界に広めることとなりました。
そこで今回、ご紹介するのは「境港妖怪検定」。「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげる先生の妖怪考察や、全国各地の妖怪に関するさまざまな知識が学べる検定となっています。
それでは例題を見てみましょう。
〈問1〉「ゲゲゲの鬼太郎」に登場した妖怪のほとんどは伝承上のモデルが存在しますが、水木先生のオリジナルと言われる妖怪は【1】ねずみ男、【2】ぬらりひょん、【3】ぬりかべ、【4】子泣き爺のうちどれ?
〈問2〉東北地方の伝承で、金のへそごまを出したとされる子どもの名前に由来する妖怪は【1】ペロリ太郎、【2】ひょうとく、【3】うわん、【4】ガシャボのうちどれ?
実際の問題は選択式や記述式で出題されます。例題の答えは〈問1〉が【1】、〈問2〉が【2】となっています。
試験区分は初級、中級、上級に分かれており、私は初級と中級に合格していますが、受検にはしっかりとした準備が求められます。というのも、公式テキストの「水木しげるロードの妖怪たち」「決定版 日本妖怪大全」に掲載されている数百もの妖怪の特徴を覚える必要があり、記述問題ではそれらの名前を正確に書かなければなりません。
この検定で培った妖怪の知識はビジネスにも役立つはずです。妖怪は超人気コンテンツ。漫画では「百鬼夜行抄」「夏目友人帳」、ゲームやアニメでは「妖怪ウォッチ」をはじめ、定期的に妖怪を題材にしたヒット作が登場していますし、「妖怪カフェ」や「妖怪バー」といった妖怪をコンセプトにした店舗も存在します。
漫画家や小説家、ユーチューバー、アミューズメント飲食店のオーナーなど、クリエイト系やエンタメ系の仕事をしている人にとって、妖怪は「アイデアの宝庫」というわけです。
あるいは妖怪の知識を生かして、「妖怪スポット案内人」なんていうビジネスを展開したらおもしろいかもしれません。
例えば、熊本県の草隅越(草積峠)という場所への「妖怪ツアー」を企画して、
「昔、ここには油すましという妖怪が出たそうです。そしてこの話には続きがありまして……こんな話をしていると『今もー出るーぞー』と、油すましが出てくると言われています」
なんていう話をすれば盛り上がること必至。近い将来のインバウンド需要の復活を見越して、今から妖怪の知識を蓄えておくのもいいかもしれませんね。
儲かる指数:61
鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は650