「全国大会を高校球児たちに」里崎氏が「2月の甲子園」開催を推す理由

 プロ野球は無観客で6月19日に開幕することが決まった。それだけに、「夏の甲子園」が開催されないことに、憤りを感じるファンは多いのではないだろうか。元プロ野球選手で「2006年WBCベストナイン」(捕手部門)に輝いた、野球評論家の里崎智也さんもその一人で、「Abema TV」の番組内で、甲子園の「2月開催案」を提案した。

 次回の春のセンバツの実質的な予選である秋季大会(9〜10月)の終了後、高3球児の希望者のみで地方予選大会を開催して、中止となった今年春の選抜出場校と地方大会優勝校で、来年2月に甲子園球場で「春夏合同高校野球大会」を開くというプランである。

 しかしこのプランは、日程が大学受験と丸かぶりしているため、実現はかなり難しいと思われる。里崎さんの提言に対してネット上では様々な意見があがった。

《開催するならその時期しかないかもしれないけど、2月はコロナだけじゃなくインフルエンザの流行も危惧されるし、選手の健康管理で万全を整えられるかな?》

《里崎さんは、文武両道でがんばろ!と言ってたけどさすがに受験シーズン真っ只中の開催は高3球児たちもその保護者もいろいろやりづらくないか?》

 里崎さんは自身のYoutube公式チャンネル「Satozaki Channel」でそんな反対意見についても述べている。「ダメな理由はそりゃいくらでも思いつくんですよ。たとえばプロ行った選手はキャンプ中なのにどうするんや? とか、就職どうするんや? 入試どうするんや? と。それはもうごもっともな意見、わかりますけど、選抜甲子園をやることが大前提やから」と甲子園は絶対に開催すべきという意気込みを見せた。

 さらに「今年の全国大会は、甲子園球場でなくてもいい、できる場所なら東京ドームでも、名古屋ドームでも。形式も通常のトーナメント式でなくてもいい。負けて気持ちを整理する部分もある。何かしらの形で”全国大会”を球児たちにさせてあげたい」と、全国大会を開催するなら妥協しなくてはいけない部分があることも里崎さんは語る。

 番組内で里崎さんが強く主張したのは「最後に何もなしで終わらせることだけは避けて欲しい」ということだった。自身もかつて鳴門工業高校で甲子園を目指した里崎さん。当時のチームメイトでも卒業後も野球を続けたのは里崎さんだけだったという。多くの球児にとって野球生活の最後となるのが今大会であるため、最後の区切りをつける意味でも戦わないで終わるというのは避けて欲しいものだ。 

(浜野ふみ)

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