「赤字5兆円」から再起へ、89歳“投資の神様”が明かした「コーラ健康法」

 米で”投資の神様”として知られるウォーレン・バフェット氏(89)。そんな彼が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイ社は5月2日、新型コロナウイルスの感染拡大で1〜3月期決算が497億ドル(約5兆3000億円)の赤字に転落したとして、所有する米航空会社株すべての売却を明らかにした。

 バフェット氏は幼い頃、コーラを売って小遣い稼ぎをした経験から、88年に初めてコカ・コーラ株式取得。以来増資を続け全資産の3分の1をコカ・コーラ株に集中投資し巨万の富を得た、まさにアメリカンドリームを具現化させた人物だ。

 さらに持ち株同様、コカ・コーラをこよなく愛するバフェット氏は「コカ・コーラを飲んだ幸福感は健康上の利益に勝る」と語り、「今でも大好物のチェリーコークを1日に5本も飲む」と豪語している。

「バークシャー社は毎年、米中西部ネブラスカ州オマハで株主総会を開いているんですが、そこで必ず出るのがバフェット氏のジャンクフード自慢(笑)。ハンバーガーとコークが大好物でほぼ毎食口にしている彼は、それを引き合いに出して『私が人生で消費したすべてのカロリーの4分の1はコーラからきていると推測しています(笑)。もし私がブロッコリーと食用野菜の芽を食べる人生を送っていたとしたら、こんなに長生きはしていないでしょう』とジョークを飛ばす。すると会場がドッと沸くという話です」(経済ジャーナリスト)

 そんなユニークな食生活を送る彼の経営哲学は「株式は永久保有」「買収してもリストラしない」というもの。それがバフェット氏率いる投資会社バークシャーのブランド力を高めてきた。

 ところがコロナ危機で前年同期には216億ドル(約2兆3000億円)あった黒字が大幅な赤字に転落。

「結果保有株の見直しを進め、傘下企業のリストラも実施せざるをえない状況になった。彼にとっても航空会社株の売却が苦渋の決断だったことは間違いないでしょう」(前出・ジャーナリスト)

 今年の総会はオンライン中継だったが、01年9月の米同時多発テロ、08年の金融危機など数々の困難を克服した歴史を「米国の奇跡」とし、強気の姿勢を崩さなかったバフェット氏。数々の危機を乗り越えてきた“投資の神様”は今もコーラを飲みながら、コロナ後の世界を見据えていることだろう。

(灯倫太郎)

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