あと7セーブ!40歳の偉業で「松坂世代」を「球児世代」に塗り替える

 かつて、「松坂世代」なる呼称が大きく取り上げられたことがあった。現・西武ライオンズの松坂大輔投手を筆頭に、球界を力強く牽引していった同学年の選手たちだ。しかし、その松坂は今も現役を続けているものの右肩、右肘の故障に悩まされており、プロ野球界に残っている選手もわずか。名球会入りを果たした選手にいたっては1人もいない。

 そんななか、虎のクローザー・藤川球児投手が「松坂世代」からの名球会入り第1号になるのではないかと、注目を集めている。

 藤川投手は、日米通算243セーブを記録しており、名球会入りまで「あと7セーブ」と迫っている。7月に40歳を迎えるが、とくに昨季は後半からポストシーズンにかけての好調ぶりからして、シーズンさえ開幕すれば大台到達は時間の問題と言えよう。

「矢野燿大監督は今シーズン、藤川投手をクローザーで起用することを明言しており、年齢的な不安はないと言い切っています。日米通算250セーブが達成された時、『松坂世代の第1号』という称号も大きく扱われることになるでしょう」(スポーツ紙記者)

 チームメイトで、すでに日米通算安打数で名球会入りを果たしている福留孝介も、あと103本のヒットでNPB記録のみでの2000本安打を達成する。このベテラン2人が、今シーズンの阪神を引っ張っていくことは間違いないだろう。

 右肘の故障で、長く戦線を離脱したこともあった藤川投手だが、その後、みごとに完全復活。昨シーズンは防御率1.77、16セーブの好成績をあげ、今後も中心選手として活躍が期待される。往年の輝きを取り戻した彼こそ、世代を代表する投手。そしてその世代は“球児世代”なのだと言えるのではないだろうか。

(スポーツライター・飯山満)

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