米アップルは4月15日(現地時間)、16年に発売して大好評だった「iPhone SE」の新型モデル(第2世代)を発表した。日本でのAppleの直販価格は64GBモデルで4万4800円(税別)。国内の大手キャリアでも税込販売価格が5万円台となっているが、ドコモにいたっては、他社からの乗り換えで22000円もの「端末購入割引」を打ち出しているため、3万円台で新型モデルを手にできる。現行機種のなかでは「最安」となる価格設定から、爆発的なヒットを予想する声も少なくない。
新SEは直販サイトでは4月17日から予約スタート。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手3社は当初4月27日の発売を予定していたが、コロナ禍の影響で5月11日に延期となっている。改めてその仕様を説明すると、サイズは前モデルの4インチから0.7インチ大きくなり、iPhone 8と同サイズ。背面カメラやFace IDは搭載しておらず、画面も有機ELではなく液晶ディスプレイだが、プロセッサは最上位モデルのiPhone 11・11Proシリーズと同じ「A13 Bionicチップ」を搭載する。
「新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の中で発売される新SEはタイミングが最悪という声もありますが、かなり売れると思いますよ。理由はまずその値段。廉価版とあっていくつかの機能は削ぎ落とされていますが、基本的にはiPhone 8にiPhone 11の機能を詰め込んだものと考えていい。17年に発売されたiPhone Ⅹ以降、価格が急上昇したため買い控えをしていたユーザーも多く、低価格で高性能の新SEはまさに待望の機種になると思います」(エンタメ誌ライター)
さらに、コロナ禍も意外な点で販売増を後押ししそうだという。
「新SEはiPhone 8以来となるホームボタンが復活し、顔認証ではなく指紋認証で画面ロックを解除するのですが、これがコロナ禍の今だからこそ便利なのです。というのも、今みなさんは出掛けるときにマスクをすると思うのですが、『マスクをしていると顔認証が反応せず、そのたびにマスクを外したり、パスコードを入力しなければならない』といったユーザーの声が多く聞かれていましたから。指紋認証で一発ロック解除ができるホームボタンの復活を待ち望む声は少なくなかったのです」(前出・エンタメ誌ライター)
今年の末には5Gに対応したiPhoneの最上位モデルの発売が予想されているが、新SEが2020年に最も売れたモデルになるかもしれない。
(小林洋三)