「iPhone14」が早くも生産縮小…売り上げ落ち込みの最大要因とは

 米Appleは予定していた「iPhone14」シリーズの増産計画を中止して、生産を縮小させる方針であると米通信社のBloombergが報じた。期待していたほど需要が伸びていないことが原因だというが、同シリーズの販売が低迷している要因はどこにあるのか。

「報道によると、Appleは9月に発売したiPhone14を2022年下期の生産計画9000万台に加えて最大で600万台を増産する予定でしたが、出だしの販売が非常に低調だったことから追加の増産を取りやめたといいます。なお、最も大きなスマホ市場を持つ中国では、発売から3日の販売台数がiPhone13シリーズから比べて11%も減少しているといいます」(ネットライター)

 これは中国に限った話ではなく、MMD研究所によるアンケート調査では、日本国内でもiPhone14シリーズの購買意欲が大きく減少しているといい、同シリーズを「購入予定」「購入を検討している人」はiPhone利用者で23.8%、Androidスマホ利用者で7.9%と、それぞれ前シリーズよりも3割超少なくなっている。これは景気の後退やロシアによるウクライナ侵攻などによって世界的にスマホの需要が減少していることが原因とみられているが…。

「iPhone14シリーズの売上が低迷している理由としては、miniモデルを切り捨てたことも原因のひとつだと考えられます。14はProとProMaxモデルの売上がシリーズ全体の6割以上と好調ですが、ノーマルとPlusモデルの売上はかなりの低調と言わざるを得ない状況となっています。画面サイズが大きいモデルはProとProMaxに人気が集中してしまったので、画面の小さいminiモデルという選択肢があれば、もう少し購入者が増えた可能性が高かったと考えられます」(ITジャーナリスト)

 iPhone14シリーズで切るべきだったのはminiではなく、Plusだったのかもしれない。

(小林洋三)

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