プロ野球新外国人「出荷前査定」(1)オリ・ジョーンズは実績NO.1だが…

 バースにクロマティ、ブライアント、ブーマーなどなど、日本のプロ野球の歴史はこれまで個性的かつ圧倒的な実力を備えた外国人選手に彩られてきた。さて、今季来日した新助っ人たちに大当たりはいるか。専門家の意見とアサ芸取材班の徹底的なリサーチで、シーズン開幕直前の「格付けチェック」だ!!

 注目度ナンバーワンは、何と言ってもオリックス入りしたメジャー通算1939安打、282本塁打のジョーンズ(34)だ。かつて同球団で監督を務めた伊原春樹氏も太鼓判を押す。

「練習を見ていても、バットが前に出ない。力任せに振るのではなくて、ちゃんと重心を後ろに残した打ち方ができるので、緩急を使う日本の投手にも対応できる印象を持ちました」

 同様に賛辞を贈るのは、野球評論家の金村義明氏だ。

「スイングは力強いうえに、単に引っ張るだけではない、34歳の年齢を感じさせないバッティングでしたね。チームメイトを招いて食事会を開いたり、チームに溶け込もうとする姿勢もすばらしい。特に同じ外野手でメジャー志向も強い吉田正尚に好影響を与えるんじゃないですか」

 ただし、開幕に向けて仕込みは上々、というわけでもない。ドタキャンなどもあり、オープン戦出場は2月28日時点(以下同)でわずか1試合2打席のみ(三振と四球)。とある球界関係者からは、こんな声も聞こえてくる。

「練習は午前中で終了、午後はフリーという特別待遇。日本の野球文化に溶け込もうとしないため、『下に見ている』と感じる選手もいるようです。34歳のジョーンズは、頑張っても残り2、3年の現役生活。『メジャーのFA市場で待っていたら、この時期にまだ所属球団が決まらず、4月、5月までズレ込んでいた可能性がある』と某球団の渉外担当が口にしていました。簡単に言えば、『売れ残り』だったということ」

 仮に妥協しての来日だったとすれば、ハングリー精神の欠如は危険信号だろう。実力は確かなだけに、プレーで周囲の雑音をシャットアウトできるか。

 逆にオープン戦9打数7安打3本塁打と爆発しているのが、DeNAのオースティン(28)。先の球界関係者が言う。

「ホームランにしたのは直球2球にスライダーが1球。選球眼もよく、メジャー移籍した筒香嘉智(28)の穴を埋められる存在です。オースティンとソト(31)、ロペス(36)の3人で、昨季も達成した本塁打『100本トリオ』を結成できそう。争奪戦に敗れた阪神は今頃歯ぎしりしているんじゃないですか」

 外国人投手との兼ね合いで常時3人出場は難しいかもしれないが、それでも大砲3人がそろい踏みとなれば、他球団にとっては脅威のひと言だろう。活躍を目の当たりにした球団OBの野村弘樹氏に聞くと、

「私もOBとして期待は非常に大きい。ただ、打ちすぎている今の状況が、相手チームからデータ収集のために『エサをまかれている』状態でなければいいのですが。本人がこの成功体験で日本の投手を甘く見るようなら開幕後、手痛い反撃を食らいかねない。引き締めてほしいですね」

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