突然の退団に至る経緯は様々だが、いずれもがファン、関係者を驚かせ、心配や失望で落胆させたものだ。それでも、反省のあとには前を向いて進んでいくしかない。
これまで球界では、何度となく窃盗犯が見つかり、半ば悪しき習慣と化してきた。18年には巨人の柿澤貴裕(28)が同僚の野球用具やユニフォームを盗んで売却していたことが発覚し、解雇された上、逮捕もされた。のちに、前所属球団の楽天時代から同様の犯行を重ねていたことが発覚。柿澤は現在、鹿児島の社会人軟式野球クラブで監督を務めて新たな道を歩み始めている。球界関係者は言う。
「今年、元巨人の小野仁(46)が量販店でウイスキーを盗んだとして捕まりましたが、その後、自宅から高額な酒が約400本も見つかったと報じられました。やはり、常習者だったようです。逆指名でプロ入りした小野は真価を発揮する前、02年オフに唐突に近鉄へとトレードされましたが、その理由として窃盗癖を疑う声が出ていた。なんでも、同僚選手の高価な上着をくすね、それを着てグラウンドに現れたことまであると‥‥。当時はまさかと思いましたが、図らずも今回の逮捕で信憑性が増しました」
同様のケースでは20年10月、西武の選手2名が靴の盗難被害に遭い、球団が調査した結果、平尾博嗣2軍コーチ(46)による窃取であることが判明。本人も事実を認め、契約解除された。動機としてコロナ禍で外出自粛を徹底させるための犯行とも報じられたが、平尾コーチは窃盗したスニーカーを履いて球団にやってきていたというのだ。
「実はかつての西武の若獅子寮は老朽化していましたが、19年に市役所のような近代的な寮が建てられました。新しい寮にはエントランスに監視カメラが設置され、その画面に平尾コーチの行状が映っていたようです」(球団関係者)
熱心な指導者で人望もあっただけに過ちを惜しむ声も多かった。平尾氏の近況をスポーツ紙デスクが話す。
「今季、『元プロ野球選手と野球を観よう』という、公式戦を観ながらファンに裏話を提供するイベントに何度か登場していました。さすがに盗難事件の顛末を語ることはなかったでしょうが‥‥」
*週刊アサヒ芸能11月10日号掲載