中日・根尾へのアドバイスはアピール?オーナー退任で囁かれる立浪の現場復帰

 中日・根尾昂のバットが火を噴いたのは、2月24日の楽天戦だった。「9番レフト」でスタメン出場し、4打数2安打と存在感をアピールした。しかし、打撃で悩んでいた期待の星が結果を出したことで、あのウワサも再燃してきた。

「前日のDeNAとのオープン戦、根尾は室内練習場で居残り練習をしているのですが、そこで待ち構えていたのがOBの立浪和義氏。マシン打撃をする根尾の後ろに立ち腕組みをしたままだったのですが、ネットへのティー打撃を開始しようとしたときに話し掛けたんです。その後は自らバットを振り、右足を上げた後のタイミングの取り方、左肘の使い方などをアドバイスしていました。スーツにネクタイ姿だったので、あくまで取材なのでしょう。球団が指導を要請したわけではありません」(スポーツ紙記者)

 個人指導後、根尾は「勉強になった」と取材陣に語り、立浪氏も「スイングは速くなっている。でも、タイミングの取り方が…」などと打撃フォームを少し改造したことを告げていた。24日の活躍ぶりは立浪氏のおかげとも言えるわけだが、球界関係者からはこんな声も聞こえてくる。

「中日では、白井文吾オーナーの退任が内定したのが、3日後の27日。白井氏は立浪氏の指導者への復帰を反対していたとされ、09年の引退以降、いまだ古巣帰還がかなわないのはそのせいだと言われてきました。その状況が変わったとなれば、球団の立浪氏への評価も違ってくる。12年から立浪氏は侍ジャパンの打撃コーチを務めていましたが、13年のWBCに招集されたメンバーは口をそろえて『立浪さんの指導は分かりやすかった』と話しています。そうしたことから今、いよいよ中日での現場復帰が見えてきたと言われ始めているんです」

 ネクタイ姿での指導は偶然を装ってのさりげない自己アピールだったのかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

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