大手ハンバーガーチェーンの「モスバーガー」が、今夏にも“植物性由来100%”のハンバーガーを販売することが分かった。9年ぶりに営業利益過去最高を記録するライバル「マクドナルド」に水を開けられる格好になっているが、植物性バーガーで反撃の狼煙を上げることができるだろうか。
「昨年、アメリカでは『バーガーキング』や『ケンタッキーフライドチキン』、『マクドナルド』がそれぞれ植物性由来の代替肉を使用した商品を販売し、ビーガン(絶対菜食主義)を中心に行列ができるほどの人気となっていました。しかし、まだ日本では本格的な代替肉メニューは登場しておらず、モスバーガーとしてはいち早くその市場を取り込みたい狙いがあるとみられています」(飲食業界関係者)
なお、モスバーガーが現在開発しているのはパティやバンズ、ソースのすべてに肉、バター、卵などを使用しない100%植物性のハンバーガーで、販売価格は単品で500円程度になると見られている。
「モスバーガーは値上げや食中毒などの影響もあって、昨年の3月期連結決算では11年ぶりの赤字に転落していたことが明らかになりました。そんな中、日本マクドナルドホールディングスは全店売上高が過去最高を記録するなど絶好調で、2月5日からはモスバーガーの代名詞でもある『ライスバーガー』に対抗して『ごはんバーガー』を出し潰しにかかっているため、なんとか植物性バーガーで逆転を狙いたいところでしょう。完全に動物性由来のものを使用しない100%植物性バーガーは世界的に見ても珍しいことから、東京五輪開催前に販売することができれば、インバウンドの需要を取り込める可能性も十分にあるのでは」(経済ジャーナリスト)
100%植物性由来というだけでなく、どれだけ本物のハンバーガーに味を近づけられるかが勝負の鍵になりそうだ。
(小林洋三)