「マックで注文を」バーガーキング異例の呼びかけに見る飲食業界の一大危機

 11月2日、ファーストフードチェーン大手「バーガーキング」のイギリス法人が、「マクドナルドで注文を」との意外すぎる声明を公式ツイッターに投稿。イギリスでは新型コロナウイルスが再び猛威を振るい、5日からは約1カ月間に及ぶ2度目のロックダウンが実施される見込みで、飲食業界を盛り上げるツイートに称賛の声が上がっている。

 英バーガーキングはツイッターで「まさか私たちがこんなお願いをするとは思っていませんでした」とし、KFCやサブウェイ、ドミノピザらファーストフードチェーンなどを利用するように促した。さらに「今、何千人ものスタッフを抱える飲食店は本当にあなたの支援を必要としている」「宅配、テイクアウトまたはドライブスルーを通じて、おいしい食事を楽しみ続けてください」と訴え、最後に「もちろんワッパーを注文してもらうのがベストですが、ビッグマックを注文することもそれほど悪いことではありません」とユーモアを交えながらマクドナルドの商品も勧めている。

 バーガーキングといえば、マクドナルドをライバル視したPR戦略で知られており、これまでCMやポスターなどでジョーク交じりに幾度となく挑発を繰り返してきた。日本では閉店する「マクドナルド秋葉原昭和通り店」に対し、その2軒隣りの「バーガーキング」が「22年間たくさんのハッピーをありがとう。」と題する感謝の垂れ幕を店頭に貼り出し、実はその文章を縦読みすると「私たちの勝ち」という勝利宣言になることがネット上でも話題となった。

「イギリス法人も昨年、数々の広告の中で必ずワッパーの後ろにビッグマックを置いて撮影していたことをインスタで明かし、『当社のバーガー「ワッパー」は“他社”のバーガーよりもずっと気前がいいことをご存じだと思いますが』『ビッグマックはワッパーの陰に見事に隠れてしまいました』などとディスっていたばかりでした。それだけに、今回の声明はイギリス全体のファーストフード店のひっ迫した状況を強く感じさせます」(フードライター)

 いずれにせよ、一大危機に直面して支え合う姿勢こそ、本当の意味で良きライバル関係ということだろう。

(小林洋三)

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