「スゴイ!」SB移籍バレンティンのド肝を抜いた“育成大砲”

 福岡ソフトバンクホークスに移籍したウラディミール・バレンティン外野手の“ひと言”が、王貞治会長と工藤公康監督の決断を早めるかもしれない。

「バレンティンがご機嫌なんですよ。もう何年も前からホークスにいたみたいにナインとも溶け込んでいて、ベースランニングでも全力疾走していました」(スポーツ紙記者)

 東京ヤクルト時代も決して暗い選手ではなかった。しかし、気分屋な一面があり、集中力が持続しないために凡ミスをする欠点もあった。そういう意味では、今回の移籍は発奮材料にもなったようだ。

 そんなノリノリのバレンティンが「コイツはタダモノではない!」と認め、その打撃練習を見ながら、「スゴイ」を連呼している若手がいた。育成3年目の砂川リチャードだ。

「日ハム・清宮幸太郎、千葉ロッテの安田尚憲、東京ヤクルトの村上宗隆らと同級生なんです。彼らが指名されたドラフト会議で(2017年)、育成3位でホークスに指名されました。飛距離に関しては王会長も一目を置いており、昨年の台湾リーグに派遣するときも『6本のホームランを打ってこい』とノルマを課し、砂川はその約束が果たせなかったと悔しがっていました」(地元メディア)

 沖縄県出身、軍事施設で働く米国人の父を持ち、実兄もシアトルマリナーズ傘下のマイナーでメジャーデビューを目指して奮闘中だという。そんな将来の右の大砲候補にバレンティンが驚いたのは、やはり飛距離。「ホークスに来て、一番驚いたのはリチャードのバッティング」と地元メディアにも答えており、その言葉は王会長たちにも報告されたそうだ。

「バレンティンは去年ブレイクした元チームメイトの村上の打撃も見ています。でも、飛距離のことは言わなかったはず」(ベテラン記者)

 ちょっと飛躍した解釈かもしれないが、バレンティンの目には「砂川は村上以上」と映ったのかもしれない。バレンティンの言葉は砂川自身にも励みになったはずだが、このまま行けば、支配下登録と一軍デビューのときが前倒しされそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

スポーツ