サイン盗みの一掃で、菊池雄星がオトコになる!?
米大手データサイト「ファングラフス」がデータ分析によるセイバーメトリクスに基づき、シアトル・マリナーズ各選手の2020年の成績予測を発表した(1月28日)。
興味深いのは、2年目のシーズンを迎える菊池雄星の成績だ。8勝8敗、防御率4.56。昨季は6勝11敗、防御率も5点台と振るわなかった。予想では勝ち星、防御率ともにアップしているが、その上がり幅はビミョ〜だ。
「菊池は昨季36本もホームランを食らいました。本人もそれを指して、『悔しいシーズンだった』とコメントしていましたし、地元ファンも奮起に期待しています」(特派記者)
マリナーズのジェリー・ディポトGMも地元ラジオ局に出演し、「菊池は先発ローテーションの一角」と明言している。“低評価”を見返してもらいたいものだが、一連のサイン盗み事件がプラスに転じるかもしれない。
「菊池は昨季4試合、アストロズ戦に先発しています。うち3試合はビジター、つまり、17年のワールドシリーズでサイン盗みの現場となったミニッツ・メイド・パークです」(同前)
そもそも、アストロズのサイン盗みは、17年ワールドシリーズ制覇を成し遂げた当時に所属していた選手により告発されたもの。しかし、「翌年以降も日常的に行われていた」という疑惑も向けられており、この点については、アストロズが罰金とペナルティを受け入れたことで、MLB機構も一件落着としたいらしい。
ただし、菊池はホームゲームでのアストロズ戦に先発した昨年9月25日(現地時間)は、6回を投げて失点2。敗戦投手にはなったが、味方打線の援護に恵まれなかっただけだ。アストロズ戦は4試合に登板して0勝2敗、被本塁打5。5本ともビジターゲームで食らったもの。仮にこの年もサイン盗みが行われていたとすれば、菊池はホームゲーム並みに好投できていたのかもしれない。
サイン盗みの件はデータに反映されていない。不正浄化は、菊池にとって追い風になるだろう。データサイトの低評価を覆してくれそうだ。
(スポーツライター・飯山満)