MLB「全試合アリゾナ開催」水面下で模索された「日米タッグ興行」プラン

 かねてから報道されている「アリゾナ州フェニックス市近辺に全30球団を集めて無観客で試合を行う」というプランが一歩前進したようである。同州のダグ・デュセイ知事が「進んで受け入れる」と、歓迎の意向を示したのだ。

 シーズンを開始させるにはクリアしなければならない難題も多い。医療、保健関係から許可を得なければならないのはもちろんのこと、メジャーリーグ機構と同選手会は、今後もさまざまな関係団体と話を進めていかなければならない。アリゾナ州への集結案とて、まだ可能性のひとつにすぎないのだ。

 そして、メジャーリーグが模索していた可能性のなかに、日本でペナントレースを開催するという案があったのだという。

 東京とニューヨークの時差は14時間。つまり、昼と夜が逆転している。球場がかぶっても、昼間はメジャー、ナイターは日本のプロ野球。日本のプロ野球が優先ということを明確にすればできなくはないのではないか、というのだ。

「アリゾナ州フェニックス市周辺は、夏場の日中は摂氏40度以上の日が続きます。日本の猛暑も問題ですが、日本ならホテル、球場施設もキレイで快適に過ごせるので、この腹案が出てきたんです」(米国人ライター)

 日本で興行をするこのプランは、まだNPBには相談も来ていない。このまま「アリゾナ州集結案」でまとまると思われるが、選手を4カ月以上もホテルに滞在させるのは芳しくないという意見も出ていた。どうせホテル暮らしになるなら、日本での開催もありということになる。

 日本のプロ野球もまだ開幕戦の目処が立っておらず、もし、日米両球界がスクラムを組んで“共同開催”ということにでもなれば、コロナ禍に苦しむ野球界にとっては明るい兆しとなるのかもしれないのだが。

(スポーツライター・飯山満)

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