「寝る子は育つ」と言うが、それは幼児の話だけではなかったようだ。
卓球の伊藤美誠が高校を卒業、「東京五輪に向けて卓球に専念する」と所属のスターツSCを通じて発表した。
「伊藤は自分のペースを絶対に乱しません。中学校で地元を離れ卓球漬けの生活に。まだ18歳ですが、常に自分流を貫いてますね」(Tリーグ関係者)
伊藤は1月の全日本選手権・女子シングルスを制し、女子ダブルス、混合ダブルスと合わせて三冠を達成した。それも、日本女子選手では初となる2年連続の快挙だ。
卓球の大会は1日で3試合をこなすこともあるが、連続して行われるのではない。ストレートで決着する場合も、延長戦にもつれ込む場合のもある。次の試合まで3時間以上の空き時間ができてしまうことも珍しくない。つまり、集中力を持続させることも、卓球選手に求められる重要な能力なのである。
こうした空き時間の過ごし方だが、ほとんどの選手は休憩に充てるが、自分の試合が気になって気が休まらないという。しかし、伊藤は違う。顔を隠すようにタオルをのせ、そのまま仮眠をとる。たとえ海外でも眠れる。いつ何どき、どの会場でも眠れるというのだから大したものだ。タオルを顔にのせて寝息を立てる伊藤に、周りは「スゴイ」と感嘆しているそうだ。
「熟睡しているんじゃないかって思うときもあるそうです。とはいえ寝起きは良く、スタッフが起こしたらすぐに体を動かし、試合に臨んでいます」(同前)
こうしたところも、伊藤が“自分流”を貫くと評される由縁だろう。マイペースで三冠王といえば、現役時代の落合博満氏の“オレ流”にも重なって見える。卓球界の“オンナ落合”伊藤美誠は、東京五輪を見据えた生活に専念したら怖いものナシだろう。
(スポーツライター・飯山満)