東京五輪代表の座を懸けた“女の戦い”が始まった。
近年、レベルが急上昇した日本の女子卓球は金メダルの射程圏にある。その代表選手の選出方法だが、20年1月の国際卓球連盟(以下=ITTF)発表の世界ランキング上位2人が自動的にシングルスの代表候補に選出。団体戦要員の3人目は、卓球協会強化本部で推薦することになっている。
5月に更新された世界ランキングでは、石川佳純・6位、伊藤美誠・7位、平野美宇・9位。しかし、僅差で争っているため、3人の順位の入れ代わりも激しくなりそうだ。
「石川と9位の平野は、2163ポイント差。今シーズンから優勝したら2000ポイント稼げる大会が増えたので、逆転も可能です。同14位の芝田沙季や15位の佐藤瞳と平野の差も1500ポイントほどしかありません。また、そんな代表争いを熾烈化させるように、今季より1000ポイントを稼げる『T2ダイヤモンド』が新設されている。T2ダイヤモンドは世界ランク上位15人と開催地枠1人の16人で争われるトーナメントで、7月から11月の間に3大会行われます。その間、他の国際大会もあるので、選手たちは体力勝負となりそうです」(体協詰め記者)
大きなポイント数が加算できる国際大会が続くとなれば、順位変動もありそうだが、仮に石川が世界ランキング国内トップの座を譲っても、代表に選ばれる可能性は高そうだ。
「たとえ国内3位以下に落ちたとしても、佐藤、芝田、加藤美優ら有望な若手もいますが、近年の貢献度を加味すると石川が選ばれるでしょう」(テレビ局スポーツ部員)
日本の女子卓球界には、妙なジンクスがある。ロンドン大会の平野早矢香、リオデジャネイロ大会の福原愛はともに27歳で五輪を戦った。その後、2人は一線を退いた。石川も27歳で東京五輪を迎えるため、「二度あることは三度ある」というヘンな空気も漂っている。
体力勝負で五輪代表が決まるだけに、石川が“27歳のジンクス”にハマって「燃え尽きた」なんてことにならなければいいのだが…。
(スポーツライター・飯山満)