卓球女子団体「みうみま」では金メダルに届かない!? ペア解体の真意とは?

 プロ野球、Jリーグなどプロスポーツ興行はいよいよ“平常運転”へと戻りつつあるが、卓球はもうしばらく時間が掛かりそうだ。いったん、延期とされていた「2020ITTF ワールドツアープラチナライオン卓球ジャパンオープン荻村杯北九州大会」の中止を日本卓球協会が7月8日に発表した。

「本来ならば、4月に開催されていました。3月時点で延期となり、国際卓球連盟ともギリギリまで開催する方向で調整していたのですが、正式に中止が決定しました」(体育協会詰め記者)

 試合がないのは残念だが、「考える時間」はタップリあった。東京五輪の必勝作戦だ。女子団体戦で平野美宇と伊藤美誠との「みうみまコンビ」ではなく、石川佳純と平野のチーム「かすみうコンビ」で臨むことがほぼ固まりつつあることがわかった。

「突発的に変更したものではなく、以前から石川をダブルスで起用する際のパートナーを模索してきました。右利きの平野に対し、石川は左利きです。広角的に攻められるので2人のコンビは良いのではないか、と…」(前出・記者)

 2人は昨季後半から今年初めにかけて行われた国際大会で何度かコンビを組んでいる。息の合ったところも見せていたが、2人は今年1月の東京五輪代表選手枠を最後まで争ったライバルでもある。お互いに意識しすぎ、張り合ってしまうのではないかと懸念されるが…。

「五輪の団体戦は5ゲームマッチで3ゲームを先取したほうが勝ちとなります。日本はシングルス代表の伊藤、石川と、団体戦のみ出場の平野が出場しますが、ポイントは、第3試合のダブルスです。『みうみま』一辺倒では金メダルには届かないのでは、との見方もありました」(TV局スポーツ部員)

 昨年、石川が不振に陥って中国選手に勝てない時期もあった。そのとき、練習パートナーを買って出たのが平野だった。見方を変えれば、平野は右利きの伊藤、左利きの石川のどちらともコンビの組めるバイプレーヤーなのかもしれない。

 日本の代表チームとしては、石川・平野のコンビを東京五輪前にもう一度テストしておきたいはず。新型コロナウイルス禍がおさまって、国際大会が早く再開されることを祈るばかりだ。

(スポーツライター・飯山満)

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