同じく金満補強で球界を騒がせるのが楽天だ。近年は親会社の大盤ぶるまいをバックにした石井一久GM(46)の陣頭指揮のもと、破格の契約で選手をかき集めてきた。岸孝之(35)、牧田和久(35)、涌井秀章(33)というかつての自主トレ仲間たちや、浅村栄斗(29)ら古巣・西武勢を着々と強奪してきているのだ。
「西武時代から石井GMは、自身が所属する吉本興業の息がかかった税理士や弁護士を選手に紹介することで信頼を得て、多くはそのまま吉本にマネジメント契約をさせて関係を盤石にしてきた。高級外車を乗り回す浅村にはディーラーを紹介したともいいます。そうした選手がFAや自由契約になっても西武は札束攻勢に太刀打ちできない」(パ・リーグ関係者)
気づいてみれば首脳陣も、三木肇新監督(42)を筆頭に、古巣・ヤクルト、西武のOBで大量に固められて「石井王国」は揺るぎそうもない。
「仙台には住まず基本は電話会議で、たまに顔を出してもポロシャツ姿でポケットに手を突っ込んで選手に対応する石井GMの評判はよろしくない。昨年10月には元スカウトが地元情報番組で涙ながらに『地元ファンの声を聞いてほしい』と実名告発したほどです。楽天の生え抜きは、則本昂大(29)、松井裕樹(24)、銀次(31)といった文句なしの幹部候補生だけが厚遇で囲い込みされている。生え抜き選手からは『なんで査定が違うんだ!』との不満も漏れています。生え抜きで昨オフに監督を解任された、現ソフトバンク・平石洋介打撃兼野手総合コーチ(39)を慕う選手から内部情報が漏れるという時限爆弾がいつ破裂するか見ものです」(パ関係者)
さて、戦力アップが進む球団もあれば、補強どころか育成も進まないのが日本ハムだ。3年目となる清宮幸太郎(20)も周囲の関心が薄れてきたか、個別の番記者はいなくなり、チームの担当記者が一選手として取材するのみだという。
「ずっと恵まれた温室育ちだったせいか、とにかく練習をしませんね。日本ハムは全体練習の時間を少なくして、残りは自主トレに充てさせる育成方針できた。コーチも求めてこないかぎりは自分からは教えない。ところが大谷以降の選手たちは清宮に限らず、自主的に動かなくなりました。そこで方針転換か、小笠原道大ヘッド兼打撃コーチ(46)という厳しい指導者を呼び戻しましたが、生ぬるい環境に慣れた若手がそれに耐えられるかどうか‥‥」(スポーツ紙デスク)
いずれにせよ、全ての不安要素を不発で終わらせるべく、キャンプでの練習はウソをつかない。