今キャンプも大型高卒ルーキーに注目が集まる。右ひじの軽い炎症でファームスタートが決まったものの、ヤクルト・奥川恭伸(18)は1年目からローテ入りが期待される逸材だ。ところが、取材を重ねたスポーツライターは否定的な見方をする。
「現時点で奥川は、ロッテに入団した怪物・佐々木朗希(18)よりも即戦力という評価ですが、気になるのは高校時代から練習嫌いが見て取れることです。試合が近づいて、モードに入っていけないと練習を自粛してしまう悪い癖がある。その意味で、野球に全てをささげている佐々木の伸びしろよりも劣って見えてしまう。かつての藤浪晋太郎と大谷翔平の姿が重なるんです」
ここで名前の挙がった佐々木だが、ロッテ・井口資仁監督(45)は今季の投球リミットを「50イニング」に設定したと明かしている。これは1、2軍通じての年間投球回である。
「1年目は体幹トレーニング中心で、プロで通用する体を作ります。たとえ順調に6月デビューを果たしても、中10日は空ける。そして2年目で100イニングなり段階を踏んでいく。この育成プランは、大船渡・國保陽平監督の恩師で筑波大野球部監督の川村卓准教授の意見です」(球界関係者)
川村氏は高校2年時から佐々木の動作解析データを集め、誰よりも佐々木の体を知り尽くすとされるが、なぜロッテがアマ球界の言いなりとなっているのか。
「佐々木サイドの入団条件が育成プランの受け入れだったと言われます。運命のドラフトから井口監督が佐々木サイドへ指名あいさつするまで10日も空いていた。実は『12球団OK』としていた佐々木ですが、意中球団は別の2球団だったようで、この期間に佐々木サイドは、川村氏と善後策を話し合っていたんです。ロッテにしてみれば、条件をのむしかなかったと」(球界関係者)
新戦力の特別扱いは佐々木ばかりではない。FAで入団してきた福田秀平(30)は控え選手だったソフトバンク時代の昨季推定年俸が3600万円だったが、移籍で4年総額6億円と言われる大型契約を勝ち取った。
「福田が師事するソフトバンク時代の師匠・鳥越裕介ヘッド兼内野守備コーチ(48)は、今やチームを牛耳って井口監督も何も言えません。出場機会を求めている福田にとって、この関係性は重要だった。とはいえ、その『鳥越ヘッド支配』により、野手は複数ポジションを守れなければ干される状況だけに、福田が優遇されればチーム崩壊も大げさな話ではない。早くもチーム内から『1年間レギュラーで出てない選手が簡単に1年間できる甘い世界じゃない』という言葉が漏れてきています」(球団関係者)