佐々木朗希が見せつけられる千葉ロッテの「オトナの事情」

 新春早々、千葉ロッテマリーンズにピンチ襲来だ。2年連続でFA騒動に巻き込まれる可能性が出てきた。

「外野のレギュラー争いと、強化された中継ぎ陣のなかですでに弾き出されそうな選手がいます。複数年が予想されたのに単年契約だったピッチャーもいますからね」(ベテラン記者)

 複数年契約が予想されていたのは、左の中継ぎ・松永昂大だ。松永はプロ入り以来、長くロッテのブルペンを支えてきた。19年は二軍落ちもあったが、46試合に登板。一昨年も60試合に登板しており、ジャクソン、ハーマンのリリーバーが新加入しても、松永が計算の立つ貴重な左の中継ぎ投手であることに変わりはない。この松永の低評価について、こんな情報も聞かれた。

「2020年シーズンから、メジャーリーグでワンポイントのリリーフが禁止になりました。おそらく、21年から日本のペナントレースでもそうなるでしょう。左のリリーバーは『左の好打者対策』という希少価値がありましたが、これからはどうなるかわかりません」(プロ野球解説者)

 また、千葉ロッテはFAでユーティリティプレーヤーの福田秀平を獲得している。井口資仁監督はこの福田を指して、「2番左翼」でのスタメン起用を明言しており、中堅手・荻野貴司との1・2番コンビを攻撃のウリにしたいようだ。

 さらに外野手のマーティンの残留が決まっていることから、角中、清田の両外野手が弾き出されることになる。そこで鳥越裕介ヘッドコーチから「ファースト兼任」の打診があり、角中は拒否したが清田は受諾。しかしその一塁にも、4番が予定されている井上晴哉がいる。ちなみに角中、清田の2人はすでにFA権を取得しているが、「出場機会を求めて…」なんてこともあるかもしれない。

「他のリリーフ投手もどうなるか分かりません。19年にリリーフに転向し、40試合に投げた唐川侑己は昇給となりましたが、防御率は5点台。20年はハーマンらの加入により、勝ち試合での登板が激減しそうです」(前出・プロ野球解説者)

 19年オフは益田、荻野、鈴木の去就が騒がれた。益田、荻野は残留となったが、今度は松永、清田、角中、それに唐川の身辺が騒がしくなっている。また日本人選手でただ一人、契約更改が終わっていない大谷智久の動向も気になる(1月9日時点)。
 
 鈴木、涌井、酒居らを喪失し、今年の千葉ロッテは大きく変貌する。黄金ルーキー・佐々木朗希はのっけから「プロの世界のオトナの事情」をまざまざと見せつけられるのではないだろうか。

(スポーツライター・飯山満)

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