「今すぐ外したほうがいいと思う」「いつまでこれでいくつもり?」「土屋太鳳とか松坂桃李もびっくりしてるんじゃない」…などと、競馬ファンから悲鳴に近い声が聞こえてくる。
“今すぐ外して”と指摘されたのは、11月24日に東京競馬場で行われるGⅠレース「ジャパンカップ」の、駅構内などに貼られているポスター。JRAのCMに出演する土屋太鳳や松坂桃李、中川大志といった人気俳優たちが、世界の強豪が集まるレースになぞらえて、イギリスやオーストラリアなどの国旗を彩ったカラフルなデザインをバックに楽しげな雰囲気を演じているのだが……あろうことか今年は外国馬が一頭も出走しないのだ。
「ジャパンカップといえば、日本を代表する馬と海外の有力馬が一堂に会して“世界一を決める”という趣旨のレースでした。90年代の競馬ブームの頃には外国人も大挙して競馬場に訪れるほどで、カップルで見に来るような日本のファンには日本ダービーや有馬記念よりもジャパンカップのほうがイベント感があるとして人気でした。ところが、外国からの輸送や検疫の問題などもあって、年々招待馬が辞退するケースが増加。ここ数年はとても有力とはいえない馬が3、4頭来日するだけで、日本馬の上位独占ばかりが続いてレース自体もシラけていたんです。それがついに今年は、創設39年目にして外国馬が全辞退。日本馬だけのごく普通のレースになってしまいました。これには競馬ファンからの失望も大きく、ジャパンカップ廃止論を唱える人までいます。そんな中で、駅に所狭しと貼られたカラフルなポスターには、土屋太鳳が『世界が日本を駆け抜ける!』、松坂桃李が『日本語の応援で伝わるかな?』とのセリフ。そして出演者全員で『日本を代表して応援します!』とピース写真。見れば見るほど虚しくなるのです」(週刊誌ライター)
もはや、レース自体が有名無実になったということか。現役の日本最強馬のアーモンドアイもジャパンカップに目もくれず、12月の香港のGⅠレースに出走する。
「アーモンドアイは昨年勝っているからという理由もあると思いますが、今や日本のオーナー(馬主)陣もジャパンカップを盛り上げたいという雰囲気ではないですからね。世界の名オーナーたちが集まるパーティーに出席するため、わざわざ香港に出走させる馬主もいます。そんな背景を知れば、ジャパンカップの表彰式に出るCM出演者たちも、微妙な気持ちになるのではないでしょうか」(前出・週刊誌ライター)
世界を駆け抜けない、日本語の応援だけで万事OK。若いカップルや外国人でにぎわったワールドカップのような盛り上がりは、もう戻ってこないのか。
(飯野さつき)