G7サミット途中で帰国、トランプ大統領が米国民にイジられる「いつもビビッてやめる」

 6月14日、首都ワシントンで陸軍創設250年を祝うパレードを行ったトランプ米大統領。ただ、当日はトランプ氏の79歳の誕生日とあり、反対派からは「自分の誕生日にパレードを当てるとは何事だ」との批判の声も噴出。LAで始まった抗議デモがさらに激しさを増している。

 トランプ政権の移民政策に対する抗議デモが各地で起こる中、州知事の同意を得ぬまま、州兵計4000人、海兵隊700人を派遣したトランプ氏。すでに400人以上を超えるデモ参加者を拘束していると伝えられる中、SNS上では《万単位の抗議行動ならいざ知らず、この程度の抗議行動で参加者を400人も拘束するなんて狂気の沙汰》《本当にチキンだな!関税対策同様、怖気づいている証拠だ!》等々、辛辣な言葉が飛び交ってる。

 たしかに、今年1月の就任当初は「ウクライナ戦争を1日で終わらせる」と大風呂敷を広げてみたり「関係各国の関税を大幅に引き上げる」と発言しては株式市場を混乱させたてきた同氏も、ここ最近は、なんとなく「カラ回り」「カラ元気」だのではとの場面が目立つようになった。

「関税交渉についても、欧州や中国は『最初に大きいことを言って威嚇するものの、結局、どこかで折れるので粘ったもん勝ち』と、トランプ政権の手法を見透かして早急な結論を先送りにしているのが現状です。さらに、蜜月だったイーロン・マスク氏との関係も、減税法案をめぐり激しく対立、決裂したとされていますが、実はマスク氏と親しい人物がNASAの次期長官として指名され、議会での承認直前にトランプ氏により撤回されたことが原因で罵りあいが始まったというのが真相。これではまさに子供の喧嘩です。政権スタート時の勢いはどこへやら、完全に足元が揺るぎだした感は否めませんね」(国際部記者)

 アメリカ国内では今、「TACO理論」という造語が流行しているそうだが、これは「Trump Always Chickens Out(トランプはいつもビビってやめる)」の頭文字をとったものだという。

 そんなトランプ氏が、カナダ・アルバータ州で開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)に出席したのは16日のこと。しかし、途中退席したことで、またや様々な憶測が広がっている。

「G7サミットを放りだしてまでトランプ氏が帰国しなければならなかった理由はわかりません。ただ、途中退席後、フランスのマクロン大統領が、トランプ氏の退席はイスラエルとイランの停戦に向け取り組むためだ、と発言。するとトランプ氏は自身のSNS『トゥルース・ソーシャル』で、《停戦とは一切関係ない。それよりもずっと大きなことだ。意図的かそうでないかは別にして、エマニュエルはいつも間違える。続報に注目を!》と否定。ただ、《ずっと大きなこと》が何なのかは分かりません」(同)

 トランプ米大統領は17日、トゥルースで《いわゆる『最高指導者』の居場所は正確にわかっている。彼は簡単な標的だ。少なくとも今のところは、彼を排除(殺害!)しない。しかし、民間人や米兵にミサイルを撃ってほしくないと思っている。我々の忍耐は擦り減っている》とイランに降伏と停戦を呼びかけたが、はたしてイランはこの呼びかけをどう捉えるか。「TACO理論」は払拭できるのか、トランプ氏の手腕が試されている。

(灯倫太郎)

ライフ