快挙達成!巨人・山﨑伊織が「菅野智之の穴を埋める」桑田真澄2軍監督の“確信”

 巨人・山﨑伊織投手が4月30日の先発登板で(対広島=東京ドーム)、快挙を達成した。開幕から35イニング連続無失点というセ・リーグ新記録を樹立。7回112球を投げ、5安打6奪三振1四球の内容に、阿部慎之助監督も「100点。素晴らしい」と最大級の賛辞を送った。

 山﨑は2020年6月、東海大時代に右肘のトミー・ジョン手術を受けたが、その年のドラフトで巨人が2位指名。内定していた社会人チームから了承を得た上で、ドラフトのわずか3週間前にプロ入りを決意したという。当時について、「指名したのが巨人だったことや、原監督が東海大OBであることから“密約説”も囁かれたほどの獲得劇だった」と、ある巨人担当記者は語る。

 プロ1年目はリハビリに専念。「球団から『しっかり治せ』という異例の方針を示されていた」(同記者)という。そして今季、巨人の課題の一つは、昨季15勝の菅野智之が抜けた穴を誰が埋めるか、という点だった。

 そんな中、桑田真澄2軍監督は「投手陣の大型補強は必要ない」と明言し、一方で山﨑の“何事にも動じないメンタルの強さ”を「我がチームの宝」と称賛していたという。山﨑が菅野の穴を埋める1人になる確信があったのだろう。

 山﨑の快進撃の要因のひとつに、フォークボールで確実にアウトが取れるようになった点が挙げられる。これは内海哲也1軍投手コーチからの直接指導の成果だ。また、リハビリ中に桑田2軍監督から贈られた「人間はできないのではない、やり方を知らないだけだ」という言葉も、山﨑に深く響いたという。

 同じくトミー・ジョン手術の経験を持つ桑田2軍監督は、「この手術はとにかくリハビリ期間が長い。メンタル面で支えてあげたい」と語っており、その“親心”が、山﨑の躍進を陰で支えているのだ。

(小田龍司)

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