まだまだ寒い日が続くなか、運動不足の解消の一つとして「伊能忠敬界隈」がもてはやされている。
伊能忠敬は江戸時代の天文学者、測量家。寛政12年(1800年)、56歳の時から17年かけて日本全国を測量したことで知られている。73歳で亡くなった後は、弟子たちがその遺志を受け継ぎ「大日本沿海輿地全図」を完成させ、これにて日本の国土の正確な姿が明らかになった。
「伊能忠敬界隈」とは、そんな伊能忠敬の功績を由来に、「長距離を歩き続ける人々」のことを指す。いわゆる長距離の散歩のようなものだが、趣味としては無駄なお金がかからず、また健康にもいいことから、一部の界隈で流行を見せている。SNSでは年末年始の「歩き納め」「歩き始め」の報告をする人も多く、中には1日で50kmを歩く猛者もいるのだとか。
最近は「ドラクエウォーク」や「ポケモンGO」などのスマホ位置情報ゲームアプリの歩数稼ぎとして散歩を取り入れる人も多い。またコカ・コーラ公式アプリ「Coke ON」では、ウォークに参加し1週間の目標歩数を達成したり累計歩数の特典でスタンプがもらえドリンクと交換できるため、これを目標に一つ前の駅で降りるというサラリーマンもいるのだとか。
他にも「楽天ヘルスケアアプリ」では、5000歩歩くと楽天ポイントが貯まるくじがもらえ、「Vヘルスナビ」アプリでも、歩くとVポイントに交換できるマイルが貯まる。こうしたポイ活など、寒空の下でもモチベーション維持のツールが増えているだけに「伊能忠敬界隈」が流行するのも納得といえるが、くれぐれも自分の体力と体調に合わせてウォーキングに励むべしだ。
(ケン高田)