9月に行われる自民党総裁選と立憲民主党代表選に向け、各有力候補が立候補のために動いているが、その中で、意外にも「大物2人」が四苦八苦のようだ。
自民党でいえば、8月24日に立候補の意思を固めたと報道された茂木敏充幹事長。自民党関係者が言う。
「幹事長ですから普通ならポスト岸田の筆頭。しかしその茂木氏の顔色がどうも冴えなかった。その裏には、後ろ盾と思えた麻生太郎副総裁が自派閥の河野太郎デジタル相の出馬を容認したことがあります。さらに麻生氏は、『できる外相』などと持ち上げた上川陽子氏を旧岸田派ではあるものの、陰で支援する方向に動いているといいます。そのため、茂木氏を推す『余力』がなくなったのではと囁かれているんです」
すんなりと立候補に至らなかった事情について、茂木派幹部もこう明かす。
「茂木派ナンバー2の加藤勝信元厚労相が茂木氏より先に出馬の意向を示し、動き始めたことで茂木派は分裂気味でした。最終的に茂木派を中心に20人をかき集めたようですが、立候補表明は9月に入ってからといいます。かなり調整にもたついた感がありますね」
一方、立憲民主党では泉健太代表も微妙な立場だという。立民関係者が言う。
「前代表の枝野幸男氏がいち早く手をあげてやる気満々です。枝野氏を支えるのは、近藤昭一氏が会長を務める党内最大の30人議員グループ『サンクチュアリ』。また、10数人の大きいグループを持つ立民の陰のドン・小沢一郎氏は今回、『泉おろし』に動くといいます。そしてもう1つ、菅直人元首相が率いるグループ『国のかたち研究会』の16人は、同じグループの西村智奈美代表代行を担ぐ気配を見せています」
前回、泉氏を支援した小沢氏らの協力を得られないとなると、同氏にとって厳しい状況となるのは否めない。泉氏自身も最近の民放番組で、「私も推薦人を集めるのが決して簡単なことではない」と漏らしている。泉氏支持の議員も、心配そうな顔つきでこう漏らした。
「芳野友子連合会長も泉支持の動きというから、泉さんも9月7日の告示日までにはなんとか出馬表明にこぎつけると思うが…」
何やらギリギリまでドタバタしそうな茂木、泉両氏なのである。
(田村建光)