万博「大屋根リング」の「雨染み」が追及され…設計者のとった行動が招いたプチ炎上

 大阪万博の会場デザインプロデューサーを務める建築家の藤本壮介氏が「万博リング」に使用されている木材について疑問を呈したXユーザーを「ブロック」し、物議を醸している。

 藤本氏は19日に自身のXで「万博の現場 大屋根リングの進捗は50%を超え、ほぼ半分が姿を表している 夏にはリングが一周繋がる予定」と工事の進捗具合を報告。ところが、公開された屋根部分の木材に「雨染み」のようなものが確認できることから、あるXユーザーが《もうこれ、既に腐食してるのでは? 木材、直線じゃなくなってるよ(呆 万博リング、ヤバ過ぎでしょ?》とツイート。Xユーザーは、設計者に事実を伝えたというが、藤本氏から「ブロック」されたことを明かしている。
 
 藤本氏はその後、雨滲みについて指摘を受けたことを明かし、「この床材は人の積載荷重に耐える厚物の外部用CLTを使っているので、雨が当たったり滲みたりしても構造的には問題ありません。ご安心ください」と説明。また「見た目は気になりますよね」とし、「現場視察後すぐに施工者に伝えてあります 今後施工手順や対処の方法などを一緒に検討していくことになります」と投稿した。

 どうやら見た目は気になるものの、耐久性などには問題はないようだが、納得がいかないのは藤本氏からブロックされたXユーザーだ。「発信者の私にその説明をしてからブロックするならまだ理解出来ますが、ブロックした後に説明していたとすれば不誠実でしょ。指摘した私に届かないんだから。説明責任を果たしてないでしょ(呆」と不満を口にし、鳥取県の林業試験場が発行している「濡れてどうなるCLT」というリーフレットを紹介。大きな「反り」が出る可能性を指摘している。

 藤本氏は、当該部分はその後に「樋と床板がしっかりと塞がれますので、完成時にはここに隙間は残りません」と安全性には問題が無いことを再強調。その一方で、「公共事業だけでなく、どんな金銭的な関係があろうとも、人は悪意からは身を守る権利があると考えています」と自身の考えを示している。

「批判のいくつかには丁寧に答えていた藤本氏ですが、非難がやまずキリがないと思ったのか、疑問を呈した人に反論する前にいきなりブロックして反感を買ってしまったようです。プチ炎上したことで、藤本氏は22日、『ブロックすることは燃料を投下するだけだということを学びましたので、本日以降、ブロックはしないこととしました。ブロック済みのものも順次解除していきます』とツイート。その後、すべてのブロックを解除し『なんか清々しい感じ』と述べています。多額の費用がかかる万博には反対論も根強く、ネガティブな質問に、ついつい過剰反応してしまったのかもしれません」(フリーライター)

 安全性には問題がないようだが、雨染みの修復には金がかかるのではないか? 予算の上振れを懸念する声もあがりそうだ。

(ケン高田)

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