「折りたたみ式プレミアムスマホ」が2025年に市場席巻しそうな理由

 市場調査会社Counterpoint Technology Market Research(CTMR)は2日、2023年におけるグローバル市場でのプレミアムスマートフォンの売上高が増加していると発表した。スマホ全体の出荷台数は低迷期を迎えているが、プレミアムスマホは折りたたみ式が好調を牽引しているといい、“折りたたみiPhone”の登場にも期待が高まっている。

「同社によると、プレミアムスマホとは600ドル(約8万6000円)以上のものを指していて、23年の販売台数は前年比で6%増加し過去最高を更新するとみられています。16年にはプレミアムスマホはスマホ全体の約6%でしたが、23年には24%と市場のおよそ4分の1を占めていて、大きく成長していることが分かります。また、プレミアムスマホの中でも1000ドル(約14万3000円)以上のものが売上の3分の1を超えていて、高価な折りたたみ式もシェアを伸ばしていると指摘しています」(ITライター)

 CTMRは昨年末にグローバル市場でのスマホ出荷台数予測も発表して、23年は11億6000万台と過去10年で最低となる見通しで、ここ数年は右肩下がりとなっている。スマホが売れない要因としては、世界的な物価高の影響やスマホの耐久性の向上、テクノロジーの大幅な進化がないことなどが挙げられる。しかし、そんな状況の中でもスマホとしてだけでなく、タブレットとしての要素も併せ持つ折りたたみ式はジリジリと売上を伸ばしているのだ。

「とは言っても、折りたたみ式スマホが一気に浸透するという状況ではありません。Googleが昨年7月に発売した『Pixel Fold』も、“中央のシワが気になる”といった声があがっていたり、不具合が報告されていました。そのため、ここでもゲームチェンジャーとして期待されているのはAppleで、現在開発中と噂されている折りたたみiPhoneは25年に発売されるとも言われており、折りたたみ式の爆発的な普及やスマホ全体の出荷台数が増加に転じるのは来年以降になるのではないでしょうか」(同)

 iPhoneも変わり映えしなくなってきているので、折りたたみ式が投入されれば、高くても購入したいファンも多いだろう。

(小林洋三)

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