9月の就任会見で、世間から集中砲火の批判を浴びて、涙ながらに謝罪したのは、“ドリル優子”こと小渕優子選挙対策委員長(50)だった。
「6月に死去した参院のドン・青木幹雄氏と父親の小渕恵三元総理(故人)、森喜朗元総理(86)は早大雄弁会の先輩後輩の間柄。青木さんが亡くなる前に、『優子をくれぐれも頼む』と森さんに託し、それで森さんが重要職の起用を望んだことで選対委員長に抜擢された」(自民党関係者)
10月22日の衆参ダブル補選では、「選挙の顔」として初仕事。1勝1敗で何とか最悪の事態は免れた。
「恵三さんはみんなに慕われていて、ベテラン議員の中には恩義に感じている人は多い。『女性総理が誕生するなら優子』というのが共通認識で、本人もやる気は十分。今すぐは難しいですが、有力候補になりつつあります」(山村氏)
12月12日に産経新聞社とFNNの世論調査で、「次の首相に誰がふさわしいか」という調査で、1位・石破茂元幹事長、2位・小泉進次郎元環境相、3位・河野氏が入り、「小石河連合」の独壇場になった。
その石破氏は岸田政権の窮地に反し、意気揚々としたご様子。
11月下旬の講演で出馬意欲を聞かれ、「ないと言ったら噓になる」と下心をのぞかせれば、12月11日にBSフジの番組に出演した際は、「(来年度予算が)成立した後、首相が辞めると言うのはありだ」と、退陣に踏み込んだ。
この発言は物議を醸し、自民党関係者も憤る。
「また後ろから弓を引いたと、大ひんしゅく。メディアに呼ばれたらホイホイ出演しますが、党内では『あの人は今』状態で、完全に孤立しています」
小泉氏も知名度でアンケートの上位を占めるが、実際は「ポスト岸田」の下位争いがやっと。そんな中、山村氏が候補者の追加をリクエストしたのは、あの大物だった。
「岸田総理ではもたないとなった時、ピンチヒッターで登場するのは麻生氏かもしれません。現状で『ポスト岸田』はどんぐりの背比べ。本人も政局が混乱していれば引き受けるスタンスなので、重鎮中の重鎮に肝の据わった政治をしてもらう可能性は、意外と高いと見ています」
思わぬ大物の乱入で混戦模様。異例の50名態勢を敷く東京地検特捜部の捜査の進展次第では、年明け早々にも“ポスト岸田レース”のファンファーレが鳴り響くことになりそうだ。