マスク氏がついに本腰!「24年末までにXのスーパーアプリ化」は実現できるか

 アメリカのテクノロジーニュースサイトの「ザ・ヴァージ(The Verge)」が10月27日に報じたところによると、イーロン・マスク氏は24年以内にもXに金融機能を付加させるつもりだという。

「同メディアは、実際にマスク氏が行った発言を元に報じているのですが、それは10月26日に行われたX社のオンラインでの全体会議の音声記録でした。そこでマスク氏は、必要な金融機能の全てをXに搭載し、銀行口座さえいらないシステムにしたいとの野望を語っていたというのです」(ITジャーナリスト)

 社内会議という場の性質から、発言は対外向けのリップサービスのようなものとは異なり、彼の本心を語ったものと見られている。

「そもそもマスク氏がツイッター社を買収した時、関係者は『マスク氏の最終的な狙いは、スーパーアプリの実現にあるのだろう』と見ていました。Xにおける『スーパーアプリ』とは、そのアプリがあれば、金融を含めて生活に必要なことのほぼ全てをそこで行えてしまうというもの。だから今回の発言は、『実現』の行程を『24年末まで』と区切って具体的に踏み込んだものと言えるのです」(前出・ジャーナリスト)

 だがその一方で、買収以後に報道されたのはマスク氏が描いたはずの明るいニュースではなく、XやX社を巡って右往左往する様子ばかりだった感もある。

「10月には多くのメディアがこの1年でXの価値が大きく下落したと報じました。例えばニューヨーク・タイムズはXの社内文書から、マスク氏の買収時と比べてその価値が半分以下になったと報じています」(前出・ジャーナリスト)

 スーパーアプリ化が絵に描いた餅で終わるのか、あるいはマスク氏ならではのアイディアと行動力で実現するのか、24年のXから目が離せないのである。

(猫間滋)

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