プロ野球・西武ライオンズの山川穂高内野手が土俵際で踏ん張った。2022年11月、東京都港区のホテルで20代の知人女性に性的暴行をしたとして、強制性交の疑いで書類送検されたが、東京地検は8月29日、嫌疑不十分で不起訴処分とした。
山川の女性トラブルが明らかになったのは、5月11日配信の「文春オンライン」。記事によると、被害に遭った女性は下半身などから出血するほどのケガを負い、被害届を提出。同誌の直撃に山川はケガをさせたことは認めたが、「絶対に無理やりではない」と断言し、「不起訴になる事案であろうと思っている」と明かしていた。
身の潔白を主張した山川だったが、報道の翌12日に球団は「総合的に判断しコンディション調整」との理由で出場選手登録を抹消。同月23日に山川は、起訴を求める「厳重処分」ではなく、判断を検察に委ねる「相当処分」として、書類送検された。
山川としては土俵際で残った結果となったが、「嫌疑不十分」とは何なのか。
不起訴の種類はいろいろあるが、代表的なものは被疑者が犯人でないことが明らかな場合の「嫌疑なし」、被疑者が犯人であることや犯罪の成立について十分な証拠がない「嫌疑不十分」、犯罪の証明があり、起訴しようと思えばできるが、示談がまとまっているなどの理由で起訴しない「起訴猶予」の3種類だ。
山川の場合、起訴するだけの証拠が不十分だったようだ。不起訴処分になったことで、刑事裁判は行われず、山川に前科はつかない。山川はほっとひと安心しているかもしれないが、困ったのは球団だ。
「起訴されたらやむを得ず解雇する選択肢もありました。ところが、不起訴処分となったことで、球団としてはクビを切れません。かといって、イメージダウンした山川を残留させても、ファンやスポンサー、株主が黙っていないでしょう。どうやって禊を済ませるか、いつスタメン復帰させるのか、来オフの放出はあるのか、今後の球団の決断に注目です」(スポーツ紙記者)
再び、山川の「どすこい」ポーズが見られるのはいつか。
(石田英明)