埼玉西武ライオンズが前アスレチックスのヘスス・アギラ内野手を獲得することがわかった。渡辺久信GMは「いろいろとクリアしなくてはならないこともある」と明言こそ避けたが、獲得の一報を否定しなかった。
「メジャー通算114本塁打。右の大砲タイプです。三塁を守ったこともありますが、一塁か、指名打者で試合に出ていました」(米国人ライター)
FA退団した山川穂高の後釜として見る向きもあるが、今季の西武の一塁ベースを守ってきたのはデビッド・マキノンだ。4番も務めたそのマキノンは12月1日発表の契約保留選手の名簿から漏れ、関係者の多くは「残留交渉中」と語っていた。
「打率は2割5分9厘でしたが、50打点を稼いでくれました。マキノン側は昇給を求めていたでしょうし、折り合いをつけている最中だと思ったんですが」(スポーツ紙記者)
マキノンの23年推定年俸は、9000万円。決して難しい交渉ではないとも思われていた。しかし、そのマキノンが韓国・サムスンと契約してしまった。
そもそも、韓国プロ野球界には「1年目の外国人選手に払えるのは、契約金込みで上限90万ドル」と決められている。日本円にして、約1億4000万円だ。「年俸面で交渉中」と聞かされていたので、西武が提示した新年俸は「韓国球団よりも安かったのか?」とも解釈された。
しかし、今回のアギラ獲得で、求める外国人選手像を変更したことが分かった。中距離タイプからパワーヒッターに切り替えたのである。マネー戦争で負けたわけではなかったのだ。
「アギラは今季、アスレチックスと300万ドル(約3億9000万円)で契約していました。アギラ側はそれに近い年俸を求めていると思われます」(前出・米国人ライター)
300万ドルは高すぎるが、獲得の一報を否定しなかったということはアギラ側の希望に近い金額を提示しているのだろう。
ひと足先に合意したフランチー・コルデロは左打ちの大砲タイプだ。左右の大砲を獲得した西武に“山川ロス”はない。
(飯山満/スポーツライター)