事実上の敗北宣言か? 中日・立浪和義監督がドラフト1位ルーキー・仲地礼亜を7月26日のDeNA戦で先発登板させた。それと前後して飛び込んできたのが、新外国人投手の途中獲得と、背番号213・樋口正修の支配下登録だ。
「ヤンキース傘下3Aのスクラントンにいたリリーバー、マイケル・フェリスの中日入りが米国内でも報じられました。フェリスは目立った成績は残していませんが、メジャー通算228試合登板で通算17勝を挙げています。19年シーズンはレッズに在籍していたので、アキーノとは中日で再会することになります」(米国人ライター)
中日救援陣だが、すでに30試合以上に登板した投手が4人もいる。これはリーグワーストタイであり、フェリスの緊急獲得は勝野昌慶(36試合登板/7月26日時点)らリリーフ陣の負担軽減が目的と思われる。
しかし立浪監督は、仲地の一軍昇格を示唆した24日にこうも語っていた。
「来年ローテーションに入ってほしい投手。ケガがなければ…」
仲地は6回無失点でプロ初勝利を挙げたが、5月に一軍で一度先発したもののケガに見舞われ、その後は二軍でリハビリと調整を続けていた。
「昨秋のドラフト会議では『最速150キロ強を投げる』と紹介されましたが、ファームでのピッチングを見ると、低めに変化球を集め、丁寧に投げている印象でした。変化球の持ち球も多いのでは」(名古屋在住記者)
後半戦、この仲地を先発で使っていき、来季に備えようというわけだ。フェリスの獲得は勝野たちの負担軽減だが、彼らの来季に向けての故障防止とも言えるかもしれない。
立浪監督が「来季」を口にすることは、今季の“敗北”を意味する。名古屋のファンは熱いので若手主体に舵を切ったとは、明確には言えないのだろう。だが、「来季はローテーション入りしてほしい」発言にピンと来た関係者は少なくない。
もっとも、首位阪神に14.5ゲーム差も離された状況で「巻き返す」と言ったら、そっちのほうが「現実を見ろ」とファンに叱られそうだが。ただ一方で、こんな見方もできる。来季にかかわる示唆が立浪監督の口から出たということは、「続投」で間違いないのでは?
(飯山満/スポーツライター)