7月31日に日本郵政が会見を開き、かんぽ生命保険の過去5年分の全契約およそ3000万件について、不適切な販売がなかったかを調査すると発表した。日本郵便とかんぽ生命は今年度の営業ノルマを廃止し、保険商品の営業を当面自粛することも発表したが、長門正貢社長ら経営陣は引責辞任については否定した。
「これまで、顧客が不利になった疑いのある不適切な保険の販売は9万3000件だと発表していましたが、今回の会見で18万3000件と倍増したことが明らかになりました。そのため3000万件について改めて調査することを決定したのですが、なぜそれを最初からやらなかったのか…と問いたくなりますよね」(経済ジャーナリスト)
こうした事態にSNS上では《ノルマ廃止とか営業自粛とか舐めてんのか! 保険自体を廃止すべき》《トップは責任を取ろうともしない。吉本よりもよっぽどヒドい》《年寄りを食い物にした罪は大きい》など、痛烈な批判が噴出している。
「かんぽ保険では、年金など月13万円の収入しかない認知症の女性に月額25万円以上の支払いが必要な契約をさせていたことも発覚し、もはや反社会的勢力と変わらないというイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。それにも関わらず、『保険の営業は自粛するけど保険自体は存続させますよ』『トップは誰も辞めません』、これでは誰も納得しないのは当然です」(社会部記者)
いずれにせよ被害に遭った高齢者はまだまだ増えそうだ。
(小林洋三)