町田ゼルビアが無敗首位!黒田監督の「青森山田イズム」はJリーグでも通用した

 第7節まで消化したJ2で首位につけているのは、開幕前にはサッカー記者や解説者からも優勝候補としてほとんど名前が挙がらなかった町田ゼルビア。リーグ唯一の無敗で、総失点はたったの1点だ。

 この町田ゼルビアの指揮を執るのは、1月の全国高校サッカー選手権まで青森山田高校を率いていた黒田剛監督。優勝回数は同選手権が3回、夏のインターハイが2回ながら近年は高校サッカー界最強と称され、高校野球の大阪桐蔭と肩を並べる存在として知られている。

 サッカーファンの間では知られた存在だったが、高校サッカーの監督がJリーグの監督に就任するのは今回が初めてのケース。いくら強豪校とはいえ、プロとは大きく異なるので、その手腕に懐疑的な声が多かったのも事実だ。

 ところが、いざリーグが始まると堅守速攻を軸とした戦術が徹底され、ショートカウンターや積極的なサイド攻撃はまるで青森山田そのもの。高校で使っていた戦術がJの舞台でも通用することを証明してみせた。

「戦術としてはそこまで複雑なものではなく、むしろシンプル。それだけに選手たちの理解度も早く、他のクラブよりもチームとしての完成度が高いように感じます。理屈としては単純でもこれを徹底するのは簡単なことではなく、指揮官としての能力の高さがうかがえます」(スポーツ紙記者)

 とはいえ、長いシーズンはまだ始まったばかりだ。評価するのはまだ早すぎるだろう。

「スタートダッシュには成功しましたが、終わってみれば中位以下に沈んだクラブはいくらでもあります。シーズン当初と開幕3カ月後のクラブは別物ですし、シーズン後半戦になればどのクラブも対策を練ってきます。ただ、J1昇格という実績を残せば、そう遠くないうちに強豪クラブから黒田監督に声がかかる可能性は高いでしょうね」(前出・記者)

 J2で台風の目となった町田ゼルビアから目が離せそうにない。

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