今冬よりトルコの名門クラブ・ベシクタシュに所属する元日本代表MF香川真司が2月3日、敵地で開催されたリーグ戦アンタルヤスポルとのゲームで衝撃的な2ゴールを決め、多方面からの絶賛を浴びているが、注目すべきは2得点目に披露した“新技”である。
ドルトムントからベシクタシュへの移籍交渉が合意に達した数日後ということもあり、この日はベンチスタートとなった香川。しかし、4-1とリードした中で81分に途中投入されると、巧みなドリブル突破からデビュー弾を奪い、その2分後にはゴール正面での直接FKを鮮やかな“縦回転シュート”で見事にネットを揺らしてみせた。
ピッチ投入からわずか3分間で2ゴールを奪う芸当を披露した香川に現地メディアが熱狂したことは言うまでもないが、長年にわたって香川のキャリアを追い続けてきたサッカーマニアたちをうならせたのは、直接FKをねじ込んだ2点目のゴールだ。
「日本代表で苦楽を共にした本田圭佑は無回転でのフリーキックシュートを十八番とし、かつての10番・中村俊輔に関しては横回転をかけたカーブシュートでたびたび鮮やかな直接FKを決めていましたが、香川が公式戦で縦回転のFKを蹴ったことはほぼ皆無と言えるでしょう。これまで披露する機会が少なかっただけなのか、新たに習得した技なのか、そもそも直接FKを積極的に蹴るタイプではないですし、加入したばかりで途中投入されたベシクタシュにおいて、すでにFKのキッカーを任されているという事実にも驚きです。29歳にしてまだまだ伸び代があることを示したと言えますね」(スポーツライター)
圧巻の“新技”披露には、香川と代表で共に戦った日本代表DF長友佑都も自身のツイッターアカウントにて、「香川真司さん3分で2得点は衝撃的デビューで出来過ぎよ。笑 フリーキック縦回転は初めて見たわ。あんな球蹴れるなら隠さず先言っといてや。笑」とツイートし、“戦友”の止まらない進化と成長に驚きを隠せない様子だ。
森保一監督率いる新生日本代表においては、中島翔哉や堂安律、南野拓実らが新たな中盤のエースとして君臨しているものの、香川にもまだまだ主役となる可能性が残されていることを今回の衝撃デビューによって存分に示したと言えるだろう。
(木村慎吾)