今夏、スペインのサラゴサへ加入したサッカー日本代表MF香川真司が早くも新天地に“特需”をもたらしている。
昨季をトルコのベシクタシュで過ごした香川は、長年にわたって夢だと公言し続けてきたスペインの地を新たな所属先に選び、向かった先は2部リーグながら魅力的なフットボールを展開するサラゴサ。週末に開催された2019-2020シーズン開幕節では早くも得意とするトップ下のポジションで先発出場を果たし、念願のスペインデビューを達成すると、たっぷりと80分間プレー。フリーキックや巧みなパスで攻撃に彩りをもたらし、加入早々にその存在感を十分に示したと言える。
チームも2-0で完封勝利を収め、香川本人も試合後には「キツかったが、なによりも勝つことだけを意識した」とコメント。サラゴサによる香川との契約がフットボール面で大きな収穫となったことを窺わせるが、マーケティング面ではさらに“目に見える”プラスアルファをもたらしていたようだ。
「スペインのスポーツメディア『El Desmarque』は、香川を“かつてのワールドワイドなスター選手”と評し、ヨーロッパでもトップクラスのMFだったとも絶賛しています。また、サラゴサのクラブとしての売り上げにも早速“香川効果”が顕著に現れているとし、香川との契約を発表して以降、クラブの会員数が一気に5000人も増加したと報じました。他にもユニフォームの売り上げなどにも大きな貢献を果たしたことは明らかで、この一連のバブルについて『香川の加入は単なるフットボールにおける効果を遥かに超えている』と同メディアは驚嘆しています。日本の有料チャンネルでもスペイン2部の試合を生中継で放送する異例の対応を発表しましたからね。もちろんこの放映権料においてもサラゴサは大きな旨味を手にしているはずです」(スポーツライター)
かつて本田圭佑がイタリアの強豪ミランに大きな“本田バブル”をもたらしたように、現在の香川もまた所属クラブに様々な特需を与えている。
当然ながら香川本人にとっての最優先事項がピッチ上での活躍であることに疑いの余地はないが、サラゴサにとってはピッチ外での“数字の効果”もまた頬をニヤつかせるものとなっているだろう。
(木村慎吾)