サッカー日本代表MF香川真司が8月9日、スペイン2部のサラゴサへ加入することが発表された。30歳のプレーメイカーは今後、美しき攻撃サッカーを信奉するビクトル・フェルナンデス監督の下で再起を図ることになる。
“アジアの歴代最高プレーヤーの中のひとり”。スペイン紙「MARCA」はサラゴサが手にした日本人選手をそのように評し、深い畏敬の念があることを窺わせたが、サラゴサの指揮官ビクトル・フェルナンデスもまた先月末に「クラブはインパクトのある補強を行う予定だ」と宣言しており、現地では香川の価値に決して少なくない期待が寄せられている様子が伝わってくる。
そして、2019-2020シーズンの香川を指導することになった、このビクトル・フェルナンデスというスペイン人監督は、かつて「攻撃サッカーの申し子」とも謳われるほど攻撃的プレーを身上とし、最前列と2列目の間にポジションをとりたがる攻撃的MFの香川にとってはこの上ない理解者となり得るのだ。
「日本代表チームの指揮官候補に挙がったこともあるフェルナンデス監督はスペインでも指折りの攻撃サッカーの体現者です。印象的だったのは、2006年にサラゴサでアルゼンチン代表FWディエゴ・ミリートやMFパブロ・アイマール、MFアンドレス・ダレッサンドロらを擁して作り上げた“超攻撃的”チーム。当時のサラゴサのクラブ規模を考慮すれば、これだけの代表クラスのスーパースターを並べられたのは奇跡に近く、フェルナンデス監督の人望があってこそでしょう。香川はそのプレースタイルにより、守備的な戦術を好む監督とはソリが合わない傾向にありますから、フェルナンデス監督との相性にはかなり期待できますね。あえて2部に所属するサラゴサを新天地に選んだのも、この監督あっての判断かもしれません」(スポーツライター)
これまでにドイツのドルトムントやイングランドのマンチェスター・ユナイテッド、そしてトルコのベシクタシュなど、ワールドワイドに名門クラブを渡り歩いてきた香川だが、ようやく“夢”と語るスペインに到着し、この上ない最高の理解者とも巡り会えたのかもしれない。
(木村慎吾)