「R-1グランプリ2023」で田津原理音が第21代王者となった。所属している吉本興業でもさほど知られた存在ではなかったため、とにかく面白いというその実力だけで頂点に立ったといえる。
今年のR-1は、昨年末の「M-1グランプリ2022」で優勝したウエストランドが「R-1には夢がない」とネタに放り込んだことで、いつにも増して注目された。結果的にダークホースが優勝トロフィーを掲げたのだから、「夢はあった」と言えよう。さらに、過去の王者がアイドルや女優と結婚しているという「夢のある話」もある。
R-1の第5回(07年)と第6回(08年)の唯一の連覇となったなだぎ武は当初、友近とのロマンスが噂されていた。しかし、のちに破局。その後、主演ミュージカル「ソーォス!」(17年)で知り合った舞台俳優で14歳年下の渡邊安理と結婚して、22年8月に第1子となる女児が誕生。51歳にして初めてパパになった。
第8回大会(10年)で優勝したのは、あべこうじ。なだぎは優勝時、コントユニットのザ・プラン9の一員だったが、あべは真のピン芸人。しかも、フリップ芸や映像ナレーションなどを排除した話術一本の実力派スタンダップコメディアンだった。
あべはすでに離婚経験があり、元妻が娘を育てていたが、14年2月に元モーニング娘。でタレントの高橋愛と再婚した。元トップアイドルの高橋のひとめぼれで、逆アタックされたという「夢のような」交際&ゴールインだった。
「2人の出会いはレギュラー出演していた関西ローカルラジオ『ヤングタウン・土曜日』(MBS)にあべがゲスト出演したときでした。すぐに恋に落ちたそう。でも当時は、モー娘。メンバーだったので、恋愛禁止。あべに、卒業するまで待ってもらったそうです」(芸能ライター)
M-1との2冠王者となった霜降り明星・粗品は、第17回(18年)のR-1覇者。妻は、ソロやユニットでアイドル活動をしていた秋山衣梨佳だ。現在は、毒島裕丞と男女パフォーマンスグループ・ダダエイリアンを組んでいる。粗品とは半同棲生活を写真週刊誌に激写されており、21年に入籍。22年3月、ラジオの生放送で6歳の息子がいたことを明かして、世間を驚かせた。
「R-1といえば、昨年から2年連続で審査員を務めたバカリズムも、奥さんは元アイドル。アキバ発で世界進出まで果たした元でんぱ組.incの夢眠ねむで、19年のクリスマスイブに籍を入れるというベタなカップルです。いまや脚本家として超売れっ子のバカリさんですが、アイドル妻には従順なようですね」(前出・芸能ライター)
優勝すればトロフィーと賞金500万円だけではなく、思いがけない出会いも生まれる。R-1は、まさに夢のある大会と言えるのである。
(北村ともこ)