「汚職体質」は変わらず! ウクライナ政府高官「連続解任」が招く最悪事態

 いまなお、連日ロシア軍による猛攻撃に晒されているウクライナ。対するウクライナ軍は国家の存亡をかけ、決死の攻防戦に臨んでいる。

 そんな中、前線兵士の士気のみならず、国民すべてに大きな絶望感を与えているのが、ここ数日におけるウクライナ政府高官たちの相次ぐ辞任・解任騒動だ。

 ウクライナメディア「ウクラインスカ・プラウダ」などによれば、ウクライナ司法当局は21日、発電機の調達で便宜を図る見返りに現金40万ドル(約5200万円)を受け取ったとする収賄容疑で、インフラ省のヴァシル・ロジンスキー副大臣を逮捕。翌22日、同氏を解任したと報じた。しかし、これは単なる序章に過ぎなかった。

「ゼレンスキー大統領は22日の演説で、『過去にあったようなやり方には戻らない』と宣言。24日には、汚職対策を徹底するとして政権全体の人事刷新に乗り出すことを発表しました。結果、大統領の側近1人、副大臣4人の政府高官の解任が発表されたのですが、加えて、戦場となったドニプロペトロウシク、ザポリージャ、キーウ、スーミ、ヘルソンの5州の知事の退任も発表されています。彼らがどんな理由で解任されたのか詳細については発表されていませんが、残念ながらこの国では現在もなお汚職が広がっていることが明らかになってしまった。今後も多くの政府関係者が逮捕される可能性もあり、国内外に大きな波紋が広がっています」(全国紙記者)

 かつて、ウクライナは「汚職大国」とも揶揄され、各国の汚職防止に取り組む国際NGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」が公表した2021年の汚職国家ランキングによれば、クリーン度は180カ国中122位。

「すぐ下にはメキシコやパプアニューギニアなど国がランクされており、ロシアは同136位。とはいえ、古くから汚職が慣例化していて、それがEU加盟を妨げる最大の要因ですからね。現状、ウクライナ政府は西側諸国から何十億ドルもの資金援助を受けている身。この問題をきちんと処理できなければ、最悪支援打ち切りという話が出ないとも限らない。ゼレンスキー氏にとっても最大の懸念がそこにあることは間違いないでしょう」(同)

 米バイデン大統領はウクライナに対し、136億ドルの軍事支援を約束。昨年5月には議会で約400億ドルの追加支援法案が可決された。

「ちなみにアフガニスタンでは、アメリカからの支援金の3割が汚職などに消えたと言われ、アメリカの兵器を入手したタリバンが、それらをイスラム国(IS)に横流ししていたケースもあった。そのため米議会では民主・共和両党から、対ウクライナ援助の流れをもっと厳しく監視するべきだという声が上がっています。ゼレンスキー氏としても、西側からの支援ストップが、すなわちウクライナの敗北を意味することは重々承知しているでしょうからね。当面は思い切った対策に出る事が予想されます」(同)

 国のために命を懸けて戦ってきた兵士にとっては、はらわたが煮えくり返る騒動となってしまった。

(灯倫太郎)

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