森保監督の続投が、早ければ年内、遅くとも来年1月の理事会を経て正式決定するという。
日本代表監督が続投するというのは史上初のこと。過去を振り返ってみると、W杯が終わったら監督も代わる。それが日本代表の常だった。しかも監督が代わればサッカーのスタイルも変わる。そこには継続性もなければ、日本が目指すサッカーもなかった。
だから、継続性だったり、日本サッカーが目指す方向性をハッキリさせるために、森保監督を続投させることは決して間違いではない。海外でも、フランス代表のデシャン監督は今年で10年目。昨年までウルグアイ代表の監督を務めたタバレス氏は15年間務めた。2014年のブラジル大会で優勝したドイツ代表のレーヴ監督も15年務めていた。
もちろん、監督という職業は長くやればいいというものでもない。大事なことは、今大会の戦い方をしっかりと分析して検証すること。ドイツとスペインに勝ったから続投では、いつか痛い目に遭うのが目に見えている。どの部分が良くて、どの部分が悪かったのか。
そして一番大事なことは、格下と言われたコスタリカ戦の分析。なぜ敗れたのかをしっかりと追究しなければいけない。
そのうえで、ベスト8以上という目標を達成できなかった森保監督を続投させる理由を明確にしてくれれば誰も文句は言わないだろう。
もうひとつ大事なことは、森保監督の保険。続投してダメだったときの準備。例えば、世界を知っている外国人指導者をコーチに就任させ、森保監督では無理となったときに交代させる。コーチとして日本の文化、日本人の気質、森保監督のサッカーを理解できれば、交代はスムーズになる。もちろん、森保監督が4年間勤めた後に、監督に就任させることもできる。
来年、日本代表がどういうスタートを切るのか。森保監督に期待したいことは、日本がどういうサッカーを目指すのか。その土台をしっかりと作ってほしい。
(渡辺達也)
1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップアジア予選、アジアカップなど数多くの大会を取材してきた。