人気YouTuberの爆買い動画などでZ世代を中心とした若者に大人気となっているファッションブランド「SHEIN」。11月13日には東京・原宿に日本初となる常設ショールームをオープンし、開店日には150人以上の行列が出来るなど多くの人が駆けつけた。しかし、そんな中国発のファストファッションに労働環境問題が報じられており、ネット上では「やっぱりな」といった声も上がっている。
「SHEINは2008年に中国・南京市で設立され、欧米向けのアパレルECとしてビジネスを展開すると、ネットで安く購入できることもありコロナ禍のアメリカで爆発的なブームとなりました。同社は非上場のため売上を明らかにしていませんが、中国メディアによれば今年の売上はすでに2兆8000億円を突破し、『ZARA』や『H&M』『ユニクロ』超えを果たしているといいます」(情報誌記者)
日本では20年12月からサービスが開始されると、インフルエンサーを起用したウェブマーケティングが功を奏し、今年10月にオープンした大阪・心斎橋のポップアップストアや原宿の常設ショールームは常に行列ができるほど大盛況。アプリのダウンロード数も「Amazon」や「楽天」を抑え、iOSランキングで1位に輝いている。
「しかし、そんなSHEINに労働環境問題が発覚しているんです。イギリスの『チャンネル4』と『The i newspaper』が潜入調査を行ったところ、『中国の工場の労働者は、1日に18時間働くことが頻繁にある』といい、『週末はなく、休日は月にたった1日』『労働者は基本給がなく、服1着を作るごとにわずか0.27元(約4セント:約6円)を受け取る』などと伝えているんです。これを受けSHEIN JAPANは『現在調査を進めています』としているが、ネット上では《中国のファストファッションって時点で、やっぱりなとしか言いようがない。若者たちはこうした労働環境の中で作られていることを知らなければならない》などと厳しい声も出ています。なお、SHEINは労働問題の他にも新疆綿を使っている可能性やデザインの盗用なども問題となっています」(経済ジャーナリスト)
SHEINはアメリカでの上場を目指しているとの報道もあるが、こうした問題がクリアにならなければ難しいかもしれない。
(小林洋三)
*写真は「SHEIN」ショールームがある原宿・キャットストリート