プロ野球界で遅刻魔と言えば、巨人、メジャーで活躍した松井秀喜氏の噂をよく耳にした。
例えば巨人時代の2002年。オールスターゲームの第2戦に向けて羽田空港から松山に向けて空路で移動。しかし予定の時間に現れず、松井だけ次便に。にもかかわらず、練習場では「ん? 何かあったの」と平然としており、その日の試合は全セが敗れたものの、松井氏は優秀選手を受賞したのだから大物だ。
その松井氏の巨人の後輩でもある上原浩治をして、
「全日本の合宿でいきなり遅刻はありえへんわ。しかもそんな若い選手がね」
と、憮然とした表情で言わしめたのが、今シーズン最年少三冠王に輝いた村上宗隆(ヤクルト)だった。自身のYouTubeチャンネル〈上原浩治の雑談魂〉に、野球解説者の井端弘和氏がゲスト出演した10月17日更新回で明かされたものだ。
井端氏は昨年の東京五輪で金メダルを獲得した侍ジャパンの内野守備・走塁コーチを務めていたのだが、当時を振り返り、
「強化試合の初日に、鈴木誠也もそうだったけど、村上(宗隆)も遅刻した。1分2分の世界だから、まあ別にいいかくらいの感じだけど、最初から大物感はあったよね」
これに上原氏が「喝!」とばかりに先の発言。続けて、
「その2人、オレの中では考えられへん。オレだったら15分前くらいに行ってそうだもん」
と、首を横に振ったのだ。それでも井端氏は、
「ちょっと大物感あるし、悪くないなって。入って来方が、『えっ、何か?』みたいな」
松井氏を彷彿とさせる遅刻エピソードに、上原氏も思わず白い歯を見せたが、やはり主役は遅れてやって来るものなのだろうか?
(所ひで/ユーチューブライター)