東京五輪、開催なら金メダルラッシュ確実!? それでも価値に疑問の声

 開幕まで2ヶ月余りと迫った東京五輪。新型コロナが収束に程遠い状況の中、国内外で中止を求める声が噴出しているが「予定通り行われた場合、開催国としてメダルラッシュは確実」という声があるのも事実だ。

 米国の大手データ会社のグレースノート社は、4月に東京五輪の国別のメダル獲得予想を発表。これによると、日本は金34個、銀16個、銅9個の計59個。ちなみにこれまで夏季五輪で金メダル最多は、前回開催の東京五輪(64年)とアテネ五輪(04年)の16個、メダル総数でもリオ五輪(16年)の41個。記録更新は確実視されており、米国の43個、中国の38個に次ぐ3位と予想されている。

「『日本は五輪選手の育成にお金を使わない』なんて批判する人もいますが、それは真っ赤なウソ。米国や中国ほどではないとはいえ、かなりの予算を投じています。つまり、日本は世界有数のスポーツ大国なんです」

 そう明かすのは、五輪事情に詳しいスポーツジャーナリスト。確かに、総メダル数14個だったアトランタ五輪(96年)、18個シドニー五輪(00年)よりもメダルの数は大幅に増加。トレーニング施設の整備のほか、強化選手への助成金など金銭面のサポートなど昔に比べると、環境面は大きく改善されている。

 しかも、今回の東京五輪ではこのメダル予測を上回る数を獲得する可能性もあるという。

「このまま大会が決行された場合、コロナ禍で出場を取りやめる国や選手が増えることが予想されます。そうなればライバルが減るわけですからメダルは厳しいと予想されている日本人選手にもチャンスが出てきます」(前出・スポーツジャーナリスト)

 だが、仮に出場辞退が相次いだ中でのメダルとなれば、その価値に疑問の声も上がりそうだ。立教大学特任教授で慶應義塾大学名誉教授の金子勝氏は「このままだと、東京国体オリンピックになって金メダルラッシュになりかねない」と皮肉を込めてツイート。弁護士で元日弁連会長の宇都宮健児氏が呼び掛けた五輪中止署名も最初の2日間で20万筆が集まっている。

 記録的なメダルラッシュは幻となってしまうのだろうか。

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