テリー 最近はいろんな番組に引っ張りだこで、大人気じゃないですか。モテるようになりました?
森田 いやぁ、なかなかモテないですね。なんでなんですかね。単独ライブのエンディングでも「これは全部俺が考えた」っていう振る舞いもしますし。それでもやっぱりモテないですね。
テリー 最近はSNSとかもあるし、ファンの子を口説くってわけにもいかないよね。
森田 そうなんですよね。だから、今やったら相席居酒屋とか行ったりとかして、見ず知らずの人を口説くみたいなことをしてますね。
テリー あ、相席居酒屋とか行くんだ。
森田 コロナの前はしょっちゅう行ってましたね。僕とバイク川崎バイク(BKB)っていう芸人とニューヨークの屋敷(裕政)と、この3人でよく行ってて。
テリー しゃべりうまいからモテるでしょう。
森田 モテるというか、笑かすことはできるんですけどね。僕らのことを知らなくても「芸人みたい」とか言われるんですよ。僕らもそこは素人の振りして、僕は古着屋の店長っていうテイで行くんです(笑)。で、BKBは美容師、屋敷はアプリを作った男みたいな。
テリー アハハハハ。
森田 そういう設定でしゃべってると「芸人みたい」って言われるんですけど、もうキャラに入ってるんで、「いや、芸人より俺らのほうがおもろいからな」とか言って、変ないきり方してるみたいな感じでやってましたね。
テリー その3人は同世代でしょう。40歳ぐらいって、お笑いの世界ではどういうポジションなの?
森田 本来ならば、ひな壇の一番前とかを任されて、MCのサポートみたいな感じやとは思いますけどね。でも僕らはまだ、そこまで行けてないんかなとも思いますけどね。そういう仕事もたまにはいただきますけど。
テリー ビートたけしさんにしろ、明石家さんまさんにしろ、タモリさんにしろ、みんな30代後半で天下取ってましたよね。ほんとは40歳ぐらいの人がもう天下取ってないとダメですよね。
森田 ほんとはね。今は、たぶん安定したものを見たいっていう時代やと思うんですよ。新しいものに対して、「いや、なんだこの人たち危険そうだな」とかっていうものに敏感な時代なんで、たぶん難しいんやろなとは思いますよね。それをしながら、自分たちのおもしろさをちょっとずつ世間に浸透させていくしかないっていう。それが千鳥さんやったりするのかなと思うんです。
テリー 千鳥はすごいよね。
森田 天下取りに行っていい人たちっていると思うんですけど、今はやっぱり圧倒的に千鳥さんじゃないですかね。やってることの奇抜さとか、おもしろさをちょっとずつ世間に浸透させていってるという感じやから。今、一番天下取りに近いと思いますけどね。
テリー さらばも天下取りに行ってよ。
森田 いやぁ、僕らはそういうタイプじゃないんで。天下取りに行くなら別のやり方をしないと。今みたいな感じでやってて、「気づいたら天下取ってた」みたいなんが一番いいんですけどね。
テリー でも、話聞いてると森田さんはたくましいから、俺取れると思うな。
森田 そうですか。ありがとうございます。まあ、巷では「ゴキブリ並みの生命力」って言われてるんで(笑)。何をやろうが、命までは取られへんと思えば、何でもやれるのかなとは思ってますけどね。
〈テリーからひと言〉
売れっ子芸人が相席居酒屋で遊んでるって何か可愛いよな。これからもバレないように相席居酒屋でリフレッシュして、いい仕事をしてください。
森田哲矢(もりたてつや・さらば青春の光)1981年、大阪府生まれ。2008年、松竹芸能の養成所の後輩だった東ブクロと「さらば青春の光」結成。2013年、松竹芸能を退社、個人事務所「ザ・森東」設立。「キングオブコント」(TBS)の決勝に計6回進出、2016年には「M.1グランプリ」の決勝にも進出した。現在は「ラヴィット!」(TBS)、「キングオブモルックのモルック大作戦!!」(TOKYOMX)、「マッドマックスTV論破王」(ABEMA/テレビ朝日)、「遊戯配信」(TOKYOMX)、「ZSTUDIOひまつぶ荘」(日本テレビ)などの番組に出演中。「さらば青春の光 Official Youtube Channel」の登録者数は79万人を超える(9月15日現在)。
*「週刊アサヒ芸能」10月5日号掲載