銃撃事件によって選挙期間中に非業の死を遂げた安倍晋三元総理。9月27日に予定されている国葬について賛否が割れる中、安倍元総理と近い距離にあったコメンテーターが、情報番組で「安倍さん」を連呼し、視聴者から《そんなに名前を出して…イタコか!》《安倍ヨイショも度が過ぎる》と大不評を買っている。
8月23日放送の「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)に出演したのは、ジャーナリストで大学教授の末延吉正氏。番組では、旧統一教会と北朝鮮との関係性について、1991年に団体の創始者・文鮮明氏が訪朝して金日成主席と会談したことを紹介。末延氏は同年の「ソ連崩壊」について言及し、旧統一教会と北朝鮮それぞれが「組むべき相手を必要としていた」と分析。そのうえで、こう続けた。
「安倍さんなんかもね、もう亡くなられちゃったから本当に残念で、そこは確認したかったことのひとつにね、やっぱ拉致(問題)を解決するのに、ひとつの北朝鮮へのパイプとして、この統一教会っていうのは、ボクはあったと思うんですよ」
そのうえで末延氏は「大下さん、右と左とか、表だけでは分けられない」と、国や組織のトップにしかわからない部分があると語った。その後、旧統一教会が北朝鮮でビジネスを展開していた話題に移行するも、末延氏は再び安倍元総理の名前を出してこう力説した。
「これは亡くなられた安倍さんがよく言ってましたが、中国のトップと会ってもトランプさんと会っても首脳同士でバンッとハマってね、話が。ということはいくつもある。そのために準備をしていくそうです。そこに首脳、トップ同士が物を動かしていく、歴史のすごさっていうのがあると思いますよ」
この話を遮るように、MCの大下容子アナは困惑顔で「ただ、お金がどこからどういう風にというところなんですが…」と、話題を旧統一教会の主な資金源に関する疑惑へと進めた。
その後、旧統一教会と台湾情勢の話題でも、末延氏は「これはあの、亡くなった安倍元総理が言ってましたけど…」と2024年の台湾総統選について言及していた。
「番組で『安倍さんが、安倍さんが…』と連呼する『親安倍』のコメンテーターに視聴者は反応。じつは番組の前半で甲子園の話題を扱った際にも、準優勝校の下関国際高校が山口県代表だったことを持ち出して、『安倍さん夫婦も応援していた』と語り、ネット上では《ここで下関国際と安倍元総理を結びつけるか?》《純粋な甲子園ファンとしては萎える》といった不満のコメントが相次いでいました」(テレビウォッチャー)
亡くなった元総理の意向や発言を何度も持ち出す“イタコ芸”よりも、より主体性のあるコメントが求められているのかもしれない。