パイレーツからフリーエージェントになった筒香嘉智内野手が日本の一部メディアの取材に応じ、「米国のチームで探しています」と語っていたが、これは新たな難題の始まりともいえそうだ。
筒香は「米国のチーム」と言葉を濁したが、メジャーリーグではトレード期日が過ぎてしまった。行く先として、マイナーリーグか、米独立リーグの球団が予想されている。
「今季は諦めて、来季に仕切り直す選択もあったはず。選手の外部補強が許されているマイナーや独立リーグ入りを目指しているのは、筒香の『試合に出たい』という思いによるものでしょう」(ベテラン記者)
終盤戦に差し掛かったマイナーリーグで、新天地を得るのは並大抵のことではない。
そんな筒香の思いを預かったのが、代理人のジョエル・ウルフ氏だ。
「ウルフ氏は多忙な1年となりましたね」(米国人ライター)
ウルフ氏はカブス・鈴木誠也の代理人でもある。米大手エージェント会社「ワッサーマン・メディア・グループ」の野球部門代表者で、ヤンキースのジャンカルロ・スタントンなど多くのスター選手を抱えている。
「鈴木の米移籍は苦労させられました。新・労使協定で米選手会と経営陣は揉め、球団は業務停止状態となり、思わぬ長期戦となりました」(前出・同)
鈴木のカブス入りからまだ半年がたっていないのに、これから難しいとされるシーズン後半での新天地探しをしなければならないのだ。それが仕事といえばそれまでだが、ウルフ氏はダルビッシュ有の代理人でもある。
「ダルビッシュは来年で6年の長期契約が終了となります。『家族との時間を優先したい』との意向もあるらしい。でも一方で、現役を続けるのなら、単年ではなく複数年を希望するとも予想されています。来季、37歳になるダルビッシュを球団側はどう評価するのか? こちらの交渉も長期化しそう」(前出・同)
米球界挑戦を視野に入れている日本人選手は多い。ウルフ氏と契約したいと思っている選手も少なくないはずだが、ウルフ氏のほうが積極的になれないかもしれない。
(スポーツライター・飯山満)