MLBの評価は「かなり低かった」と見るべきだろう。
米独立リーグのアトランティックリーグに所属する「スタテンアイランド・フェリーホークス」と契約した筒香嘉智(31)がデビューした。
ヨーク・レボリューション戦に8番DHで出場し、4打数2打席1打点と上々のスタートを切ったと伝えられたが、球場はガラガラ…。侍ジャパンの4番も務めたスター選手がプレーする環境ではなかった。
「今季はレンジャーズとマイナー契約を結び、3Aで昇格のチャンスを待っていました。今季のトータルの成績はイマイチですが、6月だけで見れば、打率3割、4本塁打と調子が上向きでした」(スポーツ紙記者)
筒香はレンジャーズ傘下のマイナーチームにいても、「昇格のチャンスはない」と判断した。自ら退団し、代理人が移籍先を探してまわったのだが、“MLB復帰”の夢は叶わなかった。
「今季のMLBは主力バッターの故障が相次ぎ、各球団ともその穴を埋める人材を探していました。筒香の3A退団の目的はそこにありました。戦略としては間違っていません。でも、敏腕代理人が売り込んでもダメだったわけですから、筒香の評価はかなり低いと見たほうが良いでしょう」(米国人ライター)
NPB復帰の話も囁かれていた。それでも米独立リーグ入りを選んだのだから、筒香の「アメリカでやりたい」「米球界で何も残せないままでは帰れない」という思いを尊重するしかないだろう。
「筒香の代理人は敏腕で知られるジョエル・ウルフ氏です。米大手エージェント会社『ワッサーマン・メディア・グループ』の野球部門代表で、ダルビッシュ有、鈴木誠也などの日本人メジャーリーガーの代理人でもある。ウルフ氏はクライアントのお願いでも無理なものは無理とハッキリ伝える人だそうです。3A退団後、自ら売り込みを掛ける作戦はウルフ氏側が立てました。ウルフ氏がこのまま引き下がるとは思えません」(前出・同)
ネクストチャレンジャーのオリックス・山本由伸も、このエージェント会社がMLB挑戦のサポートをすると言われている。今オフ、“筒香と山本のセット販売”なんてセールスもあるかもしれない。
だが、米独立リーグ入りの一報を知った複数のNPB球団は、改めて筒香帰還の可能性が高まったと見ている。
「米独立リーグの野球環境はマイナーリーグよりも劣悪。筒香の24年シーズンからの復帰はありえない話ではない」(球界関係者)
筒香は野球人生の大きな転機に直面している。
(飯山満/スポーツライター)