懸念されたガーシー砲の影響もなく、初回から高視聴率をキープする綾野剛主演のTBS日曜劇場のドラマ「オールドルーキー」。元日本代表のサッカー選手が引退後、スポーツマネジメント会社の社員として奮闘する様子が描かれているが、本作は原作なしオリジナル脚本。ただし、実際に主人公と似たような道を歩んだ元サッカー選手は実在する。
例えば、ガンバ大阪などでプレーした嵜本晋輔氏は、有名ブランドのリユース品や古美術品の販売や不動産取引、ソリューション事業を扱う「バリュエンスホールディングス」の創業者で18年には東証マザーズに上場。その彼が近年力を入れているのが、アスリート個人だけでなくクラブや協会などの組織をサポートするスポーツ関連事業だ。
「オークション事業を通じてバックアップする枠組みを構築したり、19年にはアスリートのセカンドキャリアを支援する『デュアルキャリア株式会社』を設立しています。また、競技に専念できる環境を提供し、引退後の不安も解消しようと自社でもアスリート採用制度を導入。実業団に属さないフリーの選手たちを積極的に雇うのは新しい試みで注目を集めています」(ビジネス誌編集者)
そして、日本代表でも活躍した元浦和レッズの鈴木啓太氏は引退後に「AuB株式会社」を立ち上げ、専門機関と共同でアスリートの腸内環境を研究。コンディション作りの面から選手たちをサポートしている。
さらに90年代にブラジルの名門・コリンチャンスや柏レイソルでプレーした橋本幸一氏は現在FIFA公認の選手代理人。多くのブラジル人選手を担当し、サッカーの母国とJリーグを繋ぐ重要な役割を担っている。
「サッカーと直接関係なくても日本酒の商品企画やイベント、プロモーションを手がける中田英寿氏、スマホゲーム『パズドラ』で有名なガンホー・オンライン・エンターテイメントの取締役の市川彰彦氏(元横浜フリューゲルズ)のように異業種のビジネスで成功する人は多い。現役選手たちにとってもいい意味でのモデルケースとなっています」(同)
「オールドルーキー」も見応えのある作品だが、ここで挙げた実在の元選手たちをドラマ化しても面白いかもしれない。