いよいよ、先週から日本各地で夏休みがスタートした。
それに呼応するかのように、24日の日曜日には全国の新型コロナウイルス感染者が17万6577人となり、日曜日としては過去最多を記録したことが発表された。
現在、感染の主流となっているのは「BA.5」だが、
「専門の研究機関によれば、変異株『BA.5』の感染力が従来の1.3倍、ワクチンによる感染予防効果が7割に低下すると想定して、東京の1週間平均値をとると7月27日がピークとなり、1日あたり約2万人が感染すると推定されていました。ところがすでに、24日時点でそれを上回ってしまった。今後さらに『ピークの山』が大きくなる可能性があります」(全国紙記者)
そんな状況の中、今度は感染力が「オミクロン株の3倍」とも言われる新たな変異株「ケンタウロス」が7月に入って国内で見つかり、関係者の間に動揺が広がっている。
「『ケンタウロス』というのは『BA.2』系統から変異した75番目の亜種の通称ですが、これまでも『BA.2』系統の亜種はあったものの、誕生しては消えていたんです。そんな中で、なぜだかこの『BA.2.75』という種類は生き残ってしまい、それが世界各地で広がりつつあるという状況です」(同)
ケンタウロスの初感染報告があったのは今年6月のインドだが、その後、アメリカやイギリス、オーストラリア、韓国など世界各国で確認され、日本国内では神戸市で7月8日に1人、大阪府で19日に2人、そして東京都でも21日に2人の感染者が確認されている。
「いまのところ、感染力が従来のオミクロン株の3倍という以外、感染した場合の重症度、症状等などもわかっていない状況です。症例が少なく限定的な情報しかないため、たとえばどういう地域で、どういう形で置き換わっているのかがわからないため、現時点で予測を立てるのは難しい、というのが専門家の見解です。しかし、現在の第7波でも医療現場はひっ迫していますから、さらに感染力の高い変異株に置き換わるとすれば、待機などのルールが変わらない限り医療現場は大変なことになりますね」(同)
専門家によると、感染力3倍が正しければ、1週間で従来株の30倍の勢いで広がっていく計算になり、BA.5がケンタウロスに置き換わる可能性は極めて高いと予測する。
これまでのワクチンでどれぐらい効果があるかも分かっておらず、とりあえずは医療崩壊を起こさないためにも、それぞれができる基本的な予防策を徹底して、来るべき「ケンタロウス時代」に備えるしかないだろう。
得体のしれない変異株を前に、不安は募るばかりだ。
(灯倫太郎)