今は空前のキャンプブーム。YouTubeにキャンブ動画を投稿する芸能人も後を絶たず、なかにはヒロシやバイきんぐ西村、じゅんいちダビッドソンなどのように自分の山を手に入れる人も。だが、こうしたキャンプ好きの山林購入に警鐘を鳴らす専門家も多い。
「関東郊外でも100万円以下で買える山林は多く、最近は取引件数も増えています。ただし、山林は買って終わりではなく、メンテナンスが必要。また、相手は自然なので時として思わぬトラブルが起きることも。その処理などに高額な費用がかかるケースも少なくありません」(アウトドア誌ライター)
例えば、近年頻発している自然災害だ。豪雨や台風による倒木や土砂崩れ、山火事など思わぬ損害を被ることもある。また、倒木や土砂崩れなどで隣接する土地・建物に被害を与えた場合は、損害賠償責任を負う可能性も。被害が道路に及び、それが原因で事故が起きてしまうと、ここでも賠償責任が生じるケースもあるので注意が必要だ。
「道路が公道ではなく私道だと、基本的に撤去費用も自分持ち。こうしたトラブルに備えた森林保険もありますが加入率は2割にも届いていません」(同)
森林保険は、森林に発生した損害を補償する総合的な保険で、水害や雪害、風害をはじめとする自然災害を幅広くカバー。火山噴火や山火事にも対応しており、補償内容は手厚い。保険料は1ヘクタールあたり1000円〜2万4000円と、樹木の種類や樹齢などによって異なる。ただし、竹林や全く人手の入らない天然林は加入できないこともある。
「特に所有者が芸能人の場合、彼らの山林でトラブルが起きれば名前が報じられる可能性が高い。そうなれば管理責任を追及されたり、過剰なバッシングを受けかねません。これは一般の方にも言えますが、せっかく山を購入してもなかなか行けずに管理がおろそかになってしまう話はよく聞きます。そうなるのであれば購入は避けたほうがいいでしょうね」(同)
自分の山が欲しいという気持ちは理解できるが、万が一のリスクを考慮したうえで慎重に判断したほうがいいのかもしれない。